なぜ「複業」にこだわるのか
──xoriumではクライアントワークも増えているなかで、3人とも本業を続けています。「複業」としての両立にこだわるのはなぜですか。
中村:本業との相乗効果みたいなところもあるからですかね。本業の経験がxoriumの活動につながったり、xoriumの活動で習得した新しい技術や人脈を本業に“逆輸入”したりすることができています。
竹川:僕も3DCGの映像表現を勉強していたら、本業でもプロモーション映像を任されることになり、活かされました。
中村:社内でも、外部の刺激が必要だという危機感があるので、こういった社外活動に理解がある人が増えてきたように感じます。
中矢:2人の意見に補足すると、xoriumでは承認欲求が満たされるというメリットもあります。僕らの中で「なぜxoriumをやり続けているのか」と考えたことがあるのですが、その時に出てきた答えは “何者かになりたい”という欲求だったんです。
会社では何かを成し遂げてもそれは会社の成果として残り、対外的に個人名が出ることはあまりありません。xoriumは個人が主体なのでその点を満たせるので。
エンジニアの中矢知宏
──これから挑戦していきたいことは。
竹川:長期的には総合芸術にも挑戦したいですね。これまでは3人が手の届く範囲でやってきたので、大規模な舞台を借りてxoriumの世界を完全に表現してみたい。
中村:僕も割と同じで、ある程度大きな規模の個展をやりたい。それを海外にも展開できればいいですね。作品に対する反応やとらえ方が国によって違うのではないかと思っていて、僕らはそういうリアクションをモチベーションにしているところもあるので、国内外からフィードバックが欲しいですね。
中矢:僕は、作品を展示する「空間」から丸ごと手がけてみたいです。作品は、展示する場所によって魅力が増えることも減ってしまうこともあるので。ゆくゆくは、その魅力を最大化する空間をつくりたいですね。