グスタフ・クリムト『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I』
米化粧品大手エスティローダー創業家の実業家ロナルド・ローダーは2006年、2001年に共同設立した美術館ノイエ・ギャラリーのため、グスタフ・クリムトの『Portrait of Adele Bloch-Bauer I/アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I』を1億3500万ドル(約180億円)で購入したとニューヨーク・タイムズ紙が伝えた。
同絵画は、今日の価値で1億5480万ドル(約210億円)だ。
絵画の競売における最高記録は他にも
美術品商のラリー・ガゴシアンは2022年5月、『Orange Marilyn』と同じシリーズに属するモンローの肖像画を1億9500万ドル(約270億円)で購入した。これは、競売で販売された米国の芸術家による作品の中で最も高価なものとなった。
ガゴシアンが、最高記録を更新したこの絵を自分のために購入したのか、それともこのリストに名を連ねる多くの芸術品収集家を含む彼のビリオネアの顧客の一人のために購入したのかは未確認だ。
故ポール・アレンのコレクション
クリスティーズは2022年8月、2018年に亡くなったポール・アレンが所有していた芸術コレクションを販売すると発表した。
アレンの存命中は謎に包まれていた同コレクションは、芸術史の500年に及ぶもので、アレサンドロ・ボッティチェリやビンセント・バン・ゴッホ、パブロ・ピカソ、ジョージア・オキーフ、デービッド・ホックニーなど世界の著名な芸術家の作品が含まれている。
中でも、ジョルジュ・スーラの『Les Poseuses, Ensemble (Petite version)/ポーズする女たち(小)』は1億4924万ドル(約200億円)で落札され、グスタフ・クリムトの『Birch Forest』は1億458万5000ドル(約140億円)で落札された。
競売にかけられた中で最も価値の高い芸術コレクションとして以前記録を持っていたのは、マンハッタンの不動産開発業者ハリー・マックローと元妻のリンダが60年にわたる結婚生活の中で集めた芸術作品だ。2人は2022年5月、作品を2つの競売にわたり合わせて9億2220万ドル(約1260億円)で販売し、2人はその売り上げを分けた。
同コレクションで最も高値がついた作品はマーク・ロスコ『No. 7』の8250万ドル(約110億円)で、競売に出されたロスコの作品の中で2番目に高い値段を記録した。
(forbes.com 原文)