市場調査会社NPD BookScanの集計によると、今年最も売れた書籍はフーヴァーの2016年の小説「It Ends With Us(邦題:世界の終わり、愛のはじまり)」だった。
彼女の作品は他にも、「Verity(邦題:秘めた情事が終わるとき)」が2位、「It Starts With Us」が4位、「Ugly Love」が5位、「Reminders Of Him」が7位、「November 9」が9位にランクインした。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、フーヴァーの書籍(プリント版)の今年の年初から10月までの売上が860万冊に達し、聖書の売上を超えたと伝えていた。2022年の彼女の本の売上は、絵本作家のドクター・スースを上回り、ジェームズ・パターソンとジョン・グリシャムの合計を超えたという。
フーヴァーの作品は、熱狂的なファンたちに愛されているが、批評家は「トラウマポルノ」と呼んで非難し、否定している。NYTのブックレビューやニューヨーカーなどは、彼女の作品をほとんど無視している。ワシントン・ポストの批評家は、彼女の「Verity」について「スリラー的要素が目白押しで、なんだこれは...!という瞬間に満ちていて、脳ミソに火を付けるかもしれないが、私は好きになれない」と書いた。
フーヴァーは、2012年の最初の小説「Slammed(邦題:そして、きみが教えてくれたこと)」を自費出版してブロガーに配り、最終的にNYTのベストセラーリストに送り込んだ。彼女の作品は、ロマンスとひねりを織り交ぜたドラマチックな展開が特徴だ。現在43歳のフーヴァーは、今年の2作を含む合計24作の小説を発表している。
「It Ends With Us」は10月時点で400万部を売り上げている。Slate誌はTikTokで110万人のフォロワーを持つフーヴァーのことを「BookTokの女王」と呼んでいる。
米国の書籍市場は昨年、対2020年比で9%の拡大となり、あるアナリストはフォーブスの取材に、TikTok のインフルエンサーたちの力が、売上の拡大の「一つの要因になったのは間違いない」と述べていた。
NYTによるとフーヴァーは、アシェットやサイモン&シュスター、アマゾン出版を通じて、今後5年間に6作を発表する契約を結んでいる。
(forbes.com 原文)