アラブ首長国連邦など、一部の富裕国や地域にも海外移住した国民の割合が多いところがある。アラブ首長国連邦の住民は900万人以上だが、地元生まれの人はそのほんの一握りだ。現地生まれのアラブ首長国連邦市民のうち海外に住んでいる人は26%以上だった。
また香港住民の約3分の1は移民だが、地元生まれの人のうち海外に移住した人の割合は18%以上だ。
海外移住者が多い西欧の国は1位がポルトガルで、2位がアイルランドだった。どちらの国も、経済成長が停滞し機会が少ない状態を経験している。一方、米国生まれの人の間で海外移住者の割合はわずか1%だった。
世界の開発状況を見ると、発展度が最も低い国では海外移住のための出国者が最も多い傾向にあり、自国生まれの人のうち平均12.5%が海外に移住していた。これは、発展度が低めの国や先進国の約3~6%と比べるとはるかに高い。
国連経済社会局(DESA)人口部は国の定住人口と世界の移民数の推定値を計算していて、入手可能な最新年は2020年だ。
人口部は移民の立場の決定に際し、可能な場合は出生国を基準としているが、出生国で決定できない場合は市民権により移民の判断を下す。しかしこの場合、見積もりは少な過ぎたり、逆に多過ぎたりする可能性がある
海外生まれの住民の多くが市民権を取得した場所では、移民の数は少なく見積もられる傾向にあるが、難民の場合や制限法がある国など国内で生まれた人が自動的に国籍を与えられない状況では、移民の数は多く見積もられるだろう。
現地生まれの人口のうち、海外に住んでいる人の割合(2020年時点)に基づいたランキングは次の通り。国連人口部の入手できる最新データに基づき、人口が75万人以上の主権国家のみ考慮されている。
1位 ガイアナ(36.4%)
2位 ボスニア・ヘルツェゴビナ(34.0%)
3位 アルバニア(30.7%)
4位 シリア(29.8%)
5位 ジャマイカ(28.6%)
6位 モルドバ(28.0%)
7位 アルメニア(26.8%)
8位 アラブ首長国連邦(26.2%)
・・・
14位 エルサルバドル(20.4%)
・・・
21位 ポルトガル(18.3%)
・・・
28位 アイルランド(15.3%)
・・・
151位 米国(1.0%)
(forbes.com 原文)