ボトルデザインも目を引く。パタゴニアのコーポレートカラーである紫とオレンジのラベルを採用している。キャップには、福島県の安達太良山の頂上を描くといった遊び心も。これらのデザインは、仁井田本家の社内外のメンバー若手を中心に組織されたブランディングチームで考案した。
「しぜんしゅ-やまもり」720ml /2200円(税込)
体温に近い温度で楽しんで
「やまもり」の味わいは、仁井田本家らしい甘味と旨味がしっかりのった中に、爽やかな酸味感が加わる、どこか新しい日本酒。アルコール度数は13%とやや低めで、女性でも気軽に楽しめる。
「天然の酵母たちは、そのときの気候や米質によっても変わります。我々は、自然の菌にとって心地よく安心して降りられる環境づくりに、精一杯の努力をつくす。まさに『人事を尽くして天命を待つ』といった製法です。そんな中で、今回の『やまもり』は、良い素材に良い菌が降りて良い味になったと思います」
個性のある味わいを楽しむために、常温でのフレッシュ感を味わうのがおすすめだという。冷やしすぎず、体温に近い温度で飲んだ方が米や酒本来のうまみが感じやすくなるからだ。酸味の締まり感があるため、燗にしても独特のもったり感や重さがない。
「ほのかに甘みのあるため、甘味噌や、たれの焼き鳥、卵豆腐など、素材自体にやさしい甘みを感じるものとの相性が良いと思います。また、チーズや肉など油分のあるおつまみとのハーモニーも抜群です」(仁井田)
生産者のこだわりは、動画でも観ることができる / 「自然を育む日本酒|パタゴニア プロビジョンズ」より
パタゴニア プロビジョンズはこの冬、日本酒のほかにもアグロフォレストリー農法で育てた果物を自然発酵させたフルーツ・ペットナット(自然発酵のスパークリングフルーツワイン)「リッスン・トゥ・ユア・フルクト」を発表し、さらに年明けにはイタリアのエトナ山で何千年に渡る伝統的な栽培方法で育てたブドウを使った2種のワインを発表予定。日本酒を含む全7製品を公式サイトと一部直営店で販売する。
近藤によると、日本酒の製造は今後も継続予定。パタゴニアが提案する、新しい味わいのお酒が楽しみだ。