仕事の障壁となる「努力のし過ぎ」 控えることで得られるもの

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私は、かつて親しい友人から授けられた価値のある教訓をエグゼクティブコーチとしてのキャリアの中で何度も活用してきた。

それは、顧客よりも一生懸命働かないことだ。

私は、顧客よりも顧客企業のリーダーシップ変革を大事に考えるときがあり、努力を減らすことを学ぶ必要があった。心配や不安で両手をもむことを減らし、落ち着いて、少し自然の成り行きに任せて、全ての結果を制御しようとしないことは難しいことだった。

努力のし過ぎとは、体や感情、知的強度の面で多大な努力をすることを意味する。こうした努力はもちろん、働く上で一部の作業には必要となるものだが、慎重になることが必要だ。毎日の生活に超人的な努力が必要なわけではない。

私の大学院の教授の一人は、「中速車線に乗る」という斬新なアイデアを共有していた。これは、高速車線と中速車線、低速車線が存在する高速道路を考慮した比喩だ。ハッスルカルチャーでは高速車線に乗り、周囲の人よりも高速で走らなければならないとされる。急いで走り、目的地に一番乗りする必要があるのだ。

中速車線に乗る極意は節度とペース配分だ。目的地には着くものの、燃料がそれほどすぐに底を尽きることはない。

人生を会社に捧げることに関心がない若い世代の従業員には、この働き方が響くようだ。こうした世代は、ワークライフバランス以上のものを求めている。まずは人生を送ることを望むこうした人たちは、中速車線の人と呼べるかもしれない。

では、リーダーが努力を減らすにはどうすればよいのか? リーダーは、他の人が後に続くようなペースを設定し、チームメンバーが「正しく」働けるよう訓練し、フィードバックや指導を提供し、学びを毎日支援するのではないだろうか? これらは重い負担ではないだろうか?

特定の仕事を行うため必要なスキルや知識がある人を採用した場合、あなたがすべきことはもしかしたら指導やマイクロマネジメントではなく、必要な仕事を頼み、その期限と具体的にどのような成果を求めるかを提示するだけかもしれない。もちろん、時間や資金、支援スタッフなど必要な資源を用意することは必要だが、その後はその場を立ち去り努力を減らそう。
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翻訳・編集=出田静

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