Tips1. 人との出会いにチャンスあり
出会いは大切に、そして周囲への感謝の気持ちを忘れずに──。サラ・ワカは自らの経験を振り返りながら、何度も強調した。
「タレントとして活動を始めることになったのも、フランスの大学院に通っていた頃に出会ったタレント事務所の人に、『ブロガー(当時のインフルエンサー的な存在)をやってみないか』とスカウトされたことがきっかけです」
当時ヨーロッパで有名だったインフルエンサーは、現在起業家としても活躍するキアラ・フェラーニだった。サラ・ワカは「正直ブロガーにはあまり興味がない」と考えていたものの、何かしらのチャンスだと考え挑戦することになったという。いざ始めてみると、イタリア語を話す日本人女性というサラ・ワカの個性が、フランスの多くのブランドから評価を得て、後にイタリアでもルブタンやアルマーニなどからオファーがくるようになった。
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ジョルジオ・アルマーニのプロモーションビデオに出演するサラ・ワカ(Instagramより)
「いまでも、なぜ世界的なブランドからオファーをいただけるのかわかりません。しかし、タレントの仕事を通して見ることができた世界や得られた経験、人脈は、クリエイティブディレクションに活かされているため、挑戦してよかったと心の底から思います。機会に対して少しでもネガティブに感じたとしても、まずは挑戦してみることが大事だと学びました」と、振り返った。
Tips2. 「好き」の声に耳を傾けよう
2013年、サラ・ワカは学生時代の友人などを集め、6人のメンバーでWakapediaを立ち上げた。はじめは、周囲のアーティストや著名人にインタビューをし、イタリア語、英語、日本語、フランス語でWakapediaのサイトに記事を掲載した。その後、イタリアやフランス、日本の雑誌から問い合わせが徐々にくるようになり、クリエイティブディレクションの仕事を増やしていったとサラ・ワカは振り返る。2017年には、エル・ジャポン初の「モデルを使わないアートの表紙」の企画も任された。
サラ・ワカが表紙と本誌の企画を担当した、エル・ジャポン 2017年5月号
サラ・ワカの行動力と挑戦力は一体どこにあるのか。「私は幼い頃から自らの『好き・ドキドキ』に忠実でいました。両親の影響で音楽も好きでしたしアート作品を見るのも好きでした。また、周囲に有名なシェフが多かったのもありグルメも好きで、一時は料理の評論家になろうとしたこともあったほどです(笑)」。常に好奇心を持っていたこと、そして自らが抱く『好き』という気持ちに耳を傾けていたことで、最終的にクリエイティブ・ディレクターという仕事にたどりついたという。
常に「突っ走る精神」を大事にしているとサラ・ワカは語る。「自分が好きなことなら、才能があるかどうかを考えずに挑戦していました。スタートアップだから、初心者だからという『立場』もあまり気にせずに。挑戦し続けることで、自分が何に一番熱意をもてるか、また、能力を発揮できるかを理解できます。挑戦する前に諦めてしまったら、本当にもったいないです」