ビジネス

2022.12.29

Web3時代のブランドの作り方 現役NFTクリエイターと売り手に聞く

個展で展示したNFT作品。岡山佳孝氏(右)とtama5氏


クリエイターと売り手、今後期待される関係性とは


水野:tama5さんは今後、ご自身の作品をどう制作、展開していきたいですか。

tama5:2022年は、NFTにかかわらず、いろいろなアート制作に携わって経験を積みたいですね。インプットの時間も多く取り、2023年からはまた新しいコンセプトアート作品をつくっていきたいなと。

水野:_auctionに対しては、どう関わっていきたいですか。

tama5:アドバイザーとしての立場からお手伝いできる事を考えていきたいです。

_auctionをチャンスの入り口として捉え、出展することで何かいいきっかけを得られたのであれば、それを糧に自分自身で視野や世界を広げていただきたいなと。

きっかけをどう生かしていくかは自分次第。上手く_auctionをひとつの機会として活用してもらえたらなと思っています。

水野:それは多分、クリエイター同士じゃないと伝えられないメッセージですよね。

tama5:そうかもしれないですね。あと_auctionでは、NFTアートとともに、実物のレリーフを落札していただく事ができます。実物のアートが好きな方がNFTに興味を持ったり、逆にNFTアートだけを楽しんでいた方々が実物の良さに気付いたりといった、新しい関係性が見えたら嬉しいです。

水野:1人1人のクリエイターと密な関係構築をするのか、幅広くクリエイターの支援をしていくのか、ジレンマがあるのではないかと思います。岡山さんは、今後どのようにクリエイターに関わっていきたいとお考えですか。

岡山:順序の問題だけなのですが、まずはクリエイターの方々と一緒にオークションを運営することで、日本の作品に対する評価が上がり、いろんな国内外のコレクターに注目され、全体が引き上がっていくという流れができたらいいなと思っています。

_auctionを育てていくために、クリエイターさんと深く関わっていくことは必要不可欠です。ただそれと同時に「クリエイターさん、投資家さん、運営の3つの要素をどうやって成立させていくか」を考え続けたいと思っています。

例えば、ある程度の規模に拡大した際には、運営コストを最小化し、クリエイター奨学金として配布したり。コミュニティ全体で溜まったお金の使い道を考えながら、参加者への還元をしていければ理想です。

普通の事業でいくと、モデルがあってKPIを伸ばして、といったやり方が定石ですよね。でも、Web3や今の僕のスタンスのやり方でいくと、事業をゆっくりコミュニティとともに育てていくという方法も全然あり得ると思います。

未成熟で動きの早い業界だからこそ、1つの方法に絞らずに、可変性のあるシステムを考えていかなければいけない。

個人としてもやりたいことは沢山あります。とにかく、全ての打ち手を考え尽くすまで、ずーっと考え続けていきます。気を抜いたらそこで負けちゃいそうなので。

文=水野和寛 編集=露原直人

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