ジャッジ、史上最高契約で主将に。ヤンキースの「キャプテンシー」とは

アーロン・ジャッジ外野手(Photo by Dustin Satloff/Getty Images)

ヤンキースと9年総額年俸3億6000万ドル(約474億円)で再契約を結んだアーロン・ジャッジ外野手(30)の入団記者会見が21日(日本時間22日)、ヤンキースタジアムで行われた。

ひな壇に上がったスタインブレナー・オーナーは、ジャッジを第16代目のキャプテンに任命。契約最終年の2031年には39歳。事実上の「生涯契約」を結んだジャッジは、2014年で引退した前任者のデレク・ジーター以来、8年間空席となっていたヤ軍の主将に就任した。

「球団にとってキャプテンが如何に重要かを認識している。とてつもなく名誉なこと。歴代の主将は日々、誇りを胸にフィールドに立ち、偉大な選手であっただけでなく、野球界、チームの親善大使的な存在だった。今まで以上に責任を感じ、リーダーシップを発揮して困難に立ち向かい、一度ならず、複数のチャンピオンシップをチームにもたらしたい」と力強く抱負を語った。

球団資料によると歴代主将は、1903年に初代主将となったクラーク・グリフィスから始まり、前任者のジーターまで過去15人が就任。ルー・ゲーリックや、ドン・マッティングリーら、ヤ軍を象徴する輝かしい顔ぶれが揃う。

タイトルを獲得しても容易にキャプテンになれるものではなく、第8代主将のベーブ・ルースが1922年にその座を退いた後、ルー・ゲーリックが就任するまで12年間の空白があり、ゲーリック引退後は37年間も主将制が中断した。

チームへの貢献はもちろん、スタインブレナーオーナー一族が見込んだ人材でなければならず、ジーター以後は適任者不在のまま、8年の歳月を要した。会見には、第12代主将で球宴選出6度(ヤンキースとして5度)のウィリー・ランドルフとジーターも出席して華を添え、さながら、主将襲名式の様相となった。

記者会見後、ニューヨーク・ヤンキース元主将のウィリー・ランドルフ氏とデレク・ジーター氏とともに写真撮影するアーロン・ジャッジ外野手(Photo by Dustin Satloff/Getty Images)
記者会見後、ニューヨーク・ヤンキース元主将のウィリー・ランドルフ氏とデレク・ジーター氏とともに写真撮影するアーロン・ジャッジ外野手(Photo by Dustin Satloff/Getty Images)

ブーン監督が「戦力として必要なのは言うまでもないが、彼との再契約に興奮しているのは、クールで素晴らしい彼の人間性が、チームにスペシャルなものをもたらすからだ」と語ったように、主将就任は、実績プラス人格が認められてのこと。

リーダーに求められる要素には、信頼構築力、コミュニケーション力、問題解決スキルなどと並んで、Humble(謙虚)さもある。穏やかな人柄で知性に富むジャッジは、新人王に輝いた2017年から程なくして、チーム内で存在感を発揮。キャリアの早い段階でリーダーの資質をみせていた。
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文=一村順子 編集=宇藤智子

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