ハイブリッドな組織を管理することは、バランスをとる行為であると2人は述べている。そして、ハイブリッドやリモートワークの環境でセレンディピティの精神をよりよく取り入れるために、以下の提案をしている。
・オンライン懇親会に頼るのをやめる。「私たちのサンプルの中には、オンライン上の議題なしのカジュアルなミーティングで自発性を模倣しようとしたマネージャーもいました」と研究者は述べている。「しかし、その目的とは裏腹に、予定を組む必要があり、しばしば機械的なもののように感じられました。目新しさがなくなると、参加者も減っていってしまったのです」
・時間を計算する。「オフィスワークとリモートワークの比率」を計算するように彼らは促している。「私たちのサンプル企業は、この点に関して大まかなコンセンサスがとれていました。平均して、会議の60%は引き続きオンラインで行われると想定しており、パンデミック以前の水準よりも劇的に増加しました」
・会議の優先順位をつける。卜レバーとホロウィグは「イノベーションと社内文化形成に関わる、共同的で創造的なタスクを実行するためのミーティングは、直接会って行うべきだという明らかな偏りがあった」と述べている。
・「バーチャル」なタスクと「対面」なタスクを分離し、区別する。「マネージャーは、従業員の仕事の平均40%が物理的にその場にいることが必要であると見積もっている。「これらの対面タスクには、問題解決や(ブレーンストーミングのように)構造化されていない議論、セレンディピティ的な出会いや会話などが含まれる。残りの60%のタスクはリモートで、必要であればバーチャルコラボレーションツールを使って行うことができる。慎重にスケジュールを組めば、ほとんどのナレッジワーカーは週2日以上オフィスに戻ることになるだろう。
・角部屋の個室などの無駄なオフィススペースをなくす。企業は、リモートワークを不動産コスト削減の手段として捉えているが、同時に、従業員が集まれるような施設を維持する必要がある。調査対象企業は40%の床面積の削減を計画しているが、それは同時に残りのスペースをより効率的に使用する必要があることを意味している。「このような小規模・少人数のオフィスでは、オフィスの構成も異なり、その中で社員が行う業務も異なってきます。私たちのサンプルでは、ソーシャルエリア(80%)、クリエイティブスペース(75%)、ミーティングルーム(74%)、シェアオフィス(74%)、ホットデスク(71%)を追加することが上位に挙げられています。角部屋は消えつつあります」
繰り返しになるが、直接会って生まれるセレンディピティなアイデアや情報交換の効果測定をすることは困難だ。しかし、ハイブリッド型はすべての手段をオープンにしておく必要があるだろう。
(forbes.com 原文)