ジャーナル・オブ・ファイナンシャル・プラニングの調査によると、S&P500種株価指数やナスダック総合株価指数、ラッセル2000は歴史的にクリスマスから年明けにかけて強含む傾向にあり、12月最後の5営業日と翌1月最初の2営業日で平均1%のリターンが出ている。たいしたことない数字に思えるかもしれないが、この水準が1年続けば年間の収益率はおよそ50%に達する計算だ。
もっとも、サンタクロースラリーが毎年必ず起こるかといえばそうではない。過去のデータによると、この時期にS&P500指数が上昇する確率は62%となっている。株価関連の見込みとしては驚くほど高いものの、当てにできるとは言い切れない数字だ。ちなみに任意の日にS&P500が上昇する確率は53%となっている。
サンタクロースラリーが起こる可能性を高めている一因は、「1月効果」と時期が一部重なることだ。1月効果とは、株式相場、なかでも前年振るわなかった中小型のバリュー株が1月上旬に高くなりやすい現象をいい、最も強力なカレンダー効果のひとつとして知られている。
サンタクロースラリーはなぜ起こる?
こうしたカレンダー効果の難しい点は、統計的には検証できてもメカニズムがわかりにくいところにある。
サンタクロースラリーの場合、いわゆる「タックスロス・ハーベスティング」がかかわっている可能性がある。これは、投資家が節税対策として、含み損のある銘柄をいったん売却し、あとで買い戻すことをさす。あるいは、新年を迎えるにあたって市場心理が楽観的になることも関係しているのかもしれない。
このほか、ファンドマネジャーが年末の持ち高報告に備え、ポートフォリオの見栄えをよくしようとすることなども絡んでいる可能性がある。
だが、結局のところ、サンタクロースラリーが起こる理由はよくわからない。一方で、統計的な根拠にそれなりに説得力があるのは確かだ。
全体として、米株式相場はバリュエーション(投資尺度)や企業業績の動向、米国のリセッション(景気後退)リスク、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの方向性といった要因に左右されるだろう。それでも、歴史的なパターンにのっとれば、この年末年始、株価が反発する可能性は十分ある。
歴史が参考になるとしたら、それを知っている人は多少は有利に立てるかもしれない。
(forbes.com 原文)