新型コロナウイルスの感染拡大により、当初予定より2年遅れて開催されることとなったCOP15。これまでにない速さで生物多様性が失われ続けている状況で、新たな世界共通目標の採択が2年も遅れてしまったことに危機感を抱くと話す矢動丸さん。
2030年までの時間が刻々と減っている今、「ユースの最大の強みは失敗を恐れず果敢に挑戦できるところ。他のNGOや行政などさまざまなステークホルダーと協働し、対等な関係で行動を加速させていきたい」と、決意を新たにしています。
生物多様性と気候変動、統合的な解決策を
世界経済フォーラムが発表した「グローバルリスク報告書2022年版」によると、今後10年で起こりうる最も深刻なリスクのうち、上位3位を「気候変動対策の失敗」、「異常気象」、「生物多様性の喪失」が占めています。
気候変動と生物多様性が相互に連関していること、気候変動への取り組みが生物多様性の回復に寄与し、生物多様性への取り組みが気候変動対策につながっていることを改めて認識することが必要です。その上で、企業は、さまざまなステークホルダーと連携し、複数の課題に包括的に取り組む姿勢が一層求められるようになるでしょう。
西村明宏環境大臣は、2023年4月に開催されるG7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合に向けて、「気候変動、循環経済、生物多様性といった地球規模の環境問題は、近年G7首相の最大の関心事項の一つ」と言及しています。日本が議長国である同会合でも、2030年までに生物多様性の喪失を阻止し、回復させるための具体的な対策の検討に焦点が当てられることに期待がかかります。
(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)
連載:世界が直面する課題の解決方法
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