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2023.01.04

なぜコミュニティ領域が「アツい」のか、ブランディング支援で感じる次の潮流

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テスラ、ナイキ、Airbnb、ルルレモン、レゴ、セフォラといった海外の勢いのあるブランドは、ユーザーコミュニティを作り出すことで、ロイヤリティを高め、SNS空間におけるクチコミの流通に成功している。日本でもこれから多くのブランドが育成をテーマに戦略や施策を作っていくようになるだろう。

2. 居場所はオフラインからオンラインへ


次に場所の変化。

これまでコミュニティといえば、リアルな場に紐づくものが一般的だったと思う。会社も基本的にはオフィスをもち、そこがメンバーの居場所だった。しかし、コロナ禍でデジタル化やリモートワークが進み、知的労働の企業を中心にSlackなどのチャットスペースが居場所になった。

正直、ここまでリモートが当たり前になるとは僕も思わなかった。業務を超えた連帯を作るのが難しくなったり、孤独を感じる人が増えたり、課題は多いと思うが、これすらテクノロジーと人の適応力が解決していくのだろう。

仕事以外でも、ゲームの実況中継などから始まったコミュニケーションツールのDiscordが一気に浸透し、ゲームだけではなくアーティストやスポーツのファンコミュニティ、Web3 / DAOのプロジェクトなど、さまざまなシーンで活用されている。ユーザー数は拡大の一途だ。

リアルな場のコミュニティによって育った自分にとって寂しい感じもするが、この流れは不可逆なのだろう。子供を見ていると、ゲームを媒体に世界中の多種多様な人々と連帯する姿を見ると、未来を感じざるを得ない。

あらゆるコンテンツがオンラインベースになってきているように、今後のコミュニティはオンライン上に立ち上げ、運用するものとなる。さまざまな行動のデータが取れるので、これまで経験と勘がモノをいわせていたコミュニティマネジメントは、劇的に進化するだろう。

新型コロナによって会うことがわざわざするものになったように、オフラインは特別なイベントや体験になっていくだろう。W杯をみんな手元のAbemaで見て、リアルタイムにSNSで感想共有しながらも、カタールの現地で見る体験には及ばないように。僕らは自然と使い分けていくのだろう。
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編集=安井克至

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