備蓄している方のほとんどは、その水の賞味期限までは把握していないのではないだろうか。非常用の水は賞味期限が長いが、多くの人はこまめにチェックしないため、いつの間にか切れていることも。
しかし、そもそも水は時間経過で飲めなくなるのだろうか。今回は、多くの方が勘違いしている、水の賞味期限の本当の意味を解説していく。
賞味期限切れの水は捨てるか
⽇本トリムが「ミネラルウォーターの賞味期限が少しでも切れていたら捨てるか」というアンケートを実施したところ、23.7%の方は「はい」と回答。
水の賞味期限が切れても捨てる方はあまり多くないことがわかるが、「いいえ」と回答した方からは「そのまま飲むのは怖いからお湯を沸かして飲む」や「野菜を洗うのに使う」といった声があった。賞味期限切れの水を飲むことに不安を感じる方はある程度いるようだ。
結論:賞味期限切れでも問題ない
警視庁警備部災害対策課からは、2020年11月12日に「ほとんどのペットボトル水は、雑菌等を取り除いてあるので、適切に保管し未開封なら品質は保たれるそうです」とツイートされている。
消費者庁のホームページにも「飲料水は、賞味期限を超過しても一律に飲めなくなるものではありません。品質の変化が極めて少ないことから、一部のものについては期限表示(消費期限・賞味期限)の省略も可能としています」との記載がある。
それでは、水の賞味期限は何のために設定されているのだろうか。
水に賞味期限がある理由
ミネラルウォーターに賞味期限がある理由は主に2つ。
1つ目は、内容量が変わってしまうから。
ペットボトルは通気性のある容器なので、長期保存しておくと中の水が少しづつ蒸発して少なくなってしまう。ペットボトルに記載されている内容量と差がありすぎると法律違反になってしまうため、賞味期限が定められているのだ。
2つ目は、においが移ってしまうから。
においの強いものと一緒に置いておくと、ペットボトルににおいが移ることがある。できるだけにおいのない状態で飲んでもらうために期限が定められている。
開封済みなら早く飲もう
未開封なら賞味期限が切れてもほとんど問題ないが、1回開けてしまえば話が変わる。外気に触れてしまうと劣化が早くなるため、遅くとも2、3日以内に飲むとよいだろう。
さらに、ペットボトルに口をつけて飲むとより劣化が早くなるので、その日中に飲むほうが安全だ。