ビジネス

2022.12.28 10:00

日本だけでなく「地球を守るヒーロー」に、厳しい時代の起業家に求めるもの


このままでは2100年に30億人以上も人口が増え、世界人口は110億人になってしまい、水や食べ物も足りなくなってしまいます。絶望的な未来だと思いますが、ギリギリで生活するアフリカ諸国の人たちの「権利」を尊重しているからです。

一方、欧米では先進国としての社会的責任をとろうと考える人たちが多く、意識が高くなっています。昆虫食がブームになっているのも、その現れでしょうね。

──それぞれの国が置かれた状況や文化圏の成熟度も関係しているのでしょうか。

そうですね、関係していると思います。例えば、日本では2000万人いる高齢者が「そのお金は自分たちにではなく、未来ある子どもたちに使ってくれ」という文化的成熟度が小さいようです。経済成長を支えてきた自分たちに使って欲しいという考えが主流になっていて、その姿を見てきた下の世代も、自分本位になってしまう。

データドリブンな社会判断ができないのは、そういう大人たちの背中を見ているからなのではないでしょうか。

技術は確実に社会課題を解決している


──技術が進歩しているのに、クリアしなければいけない課題が増えているように感じます。

そうですね。スタートアップを立ち上げるときに、よく聞くのが「社会課題を解決する」というキーワード。しかし、この社会課題というのは形を変えながら存在しているし、DXでどうこうできるようなレベルに収まらないとても大きなものになることもある。とはいえ、技術の進化というポジティブな面もあるので、スタートアップの今後10年はおもしろいものになるのではないかなと考えています。

──スタートアップを考えている人たちは、どこまで意識していると思いますか。

SDSSの人気が高いということをお話しました。関連した話題で、米国の超大手決済API企業「Stripe」が「Stripe Climate」という新しいプログラムを立ち上げました。

なぜこの取り組みが話題になったのかというと、Stripeは大手決済API企業で、いろいろな会社がつながっているからです。そこにクライメートテックも連携させて、つながっている会社がCO2削減に貢献できるようにしました。CO2除去のため、Stripeがお金を出すだけでなく、利用企業も貢献できるようにしているというところが新しい。
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文=渡辺まりか、編集=安井克至

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