カリフォルニア州サンタクララを拠点とする「SafeAI(セーフエーアイ)」は12月14日、Builders VC、McKinley Management、George Kaiser Family Foundation、Energy Innovation Capitalなどの投資家から、シリーズBラウンドで3800万ドル(約50億円)を調達したことを発表した。このラウンドには、Moog Inc.が戦略的投資家として参加した。
既存の投資家のAutotech Ventures、Brick & Mortar Ventures、Embark Ventures、Newlab、Vimson Groupもこのラウンドに参加した。
SafeAIは、シーメンスと共同で日本の大林組の自律走行トラックと電気自動車(EV)のフリートを構築し、採掘請負大手のMACAとの契約では100台の採掘トラックを配備している。
同社の創業者でCEOのBibhrajit Halderはフォーブスの取材に、「まだ発表されていない米国の顧客との交渉も進んでいる」と述べた。
「新たな資金は、当社のソリューションの展開と生産の強化に投入される。我々は、ソフトウェアエンジニアリングとオペレーションを担当するチームを育成し、今後2年間で成長させたいと考えている」と、Halderは述べた。
SafeAIは今年、従業員数を以前の2倍以上の90人強に増やし、オーストラリアのパースや日本の東京、インドのデリーにオフィスを構えている。
Builders VC のゼネラルパートナーのMark Blackwell は、フォーブスの取材に「建設と鉱業界では、自動化ソリューションに対する需要がかつてなく高まっている」と述べた。SafeAIは、建設や採掘の現場で資材を運搬する車両を電子制御に対応させ、カメラやライダー、レーダーなどのセンサーを「後付け」で搭載する。Halderは彼のスタートアップの技術が業界を革新し、自律走行トラックの導入が生産性を20%向上させると述べている。
「当社の技術があれば、通常は1億ドルかかるプロジェクトを8000万ドルで完了できる。一般的な建設プロジェクトの規模は1億ドルから数十億ドルで、20%の改善となれば、かなりのコスト削減が期待できる」とHalderは述べた。
さらに、建設や採掘の現場の車両を無人化すれば、安全性も大きく向上する。これらの業界では、すでに約1000台の自律走行車が24時間稼働中だが、死亡事故は起きていないとHalderは話した。
しかし、それでもなお自律走行車の導入は、特に鉱業分野では遅れている。オーストラリアのコンサルティング企業Australia Mining Consultancyのデータによると、現状では鉱山の採掘車両の自動化は5%未満だという。
Halderは、かつて建機メーカー最大手のCaterpillar Incで鉱山向けの無人ダンプトラックのセンシング技術の開発を担当した経歴を持ち、その経験を活かしてSafeAIを設立した。彼は今、新たな資金で建設と鉱業分野における自動化テクノロジーの導入を促進し、会社をさらに成長させようとしている。
(forbes.com 原文)