働く馬が再生可能なエネルギーに?日仏のユニークな催しとは

Kenichi Yamaguchi (studio Jamandfix)


働く馬のその先に広がる、サステナブルな未来


このように、馬事文化を世界に広め、国際交流が成功した一方で、競走馬や乗馬で活躍した後に「引退した馬の再調教」も推進している一般社団法人馬搬振興会。定年退職後の再雇用ともいうべき、働き盛りを過ぎた馬の能力に応じながら、再び働き手としての道筋を作る取り組みだ。そして人間はといえば、近年、若手後継者が少なくなり、馬方の高齢化が進むなど、日本に於ける馬搬技術に伴う問題にも頭を悩ませているのも事実。

そこで、馬搬材では伝統工芸品とのコラボとして輪島キリモトとの輪島塗作品制作や馬耕では新潟県十日町市松代の棚田で作った馬耕米の日本酒田人馬を京都の招徳酒造や新潟の津南醸造と開発しロンドンのThe Arts Club Mayfairなどラグジュアリー層に提供し若手技術継承者の仕事作りに取り組んでいる。また、海外への技術普及にも目を向けているという。

アフリカで国の補助事業を受けながら、馬耕指導を行う活動を推進するなど、日本国内に留まらず、広く世界を見据えて、国際的に馬の普及活動を行っている。この活動は、今後ますます広がりを見せるであろう。かつて、馬によって人の暮らしに寄り添った技術や知恵が、100年先の未来へ向けて、新しい役割を担って活用していくことが期待される。

「ルート・ドゥ・ポワソン」の様子

文・写真(報告会)=中村麻美

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