アマゾンが欧州で6兆円の制裁金を回避、「独禁法」調査で

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アマゾンは12月20日、欧州連合(EU)の欧州委員会が指摘した、3件の独禁法違反の疑いに関する調査でEUと和解した。これにより同社は、数十億ドルの罰金を回避した。

EUの20日の発表によるとアマゾンは、自社の小売事業や自社ブランドの商品を有利にするために、マーケットプレイスの外部の小売業者の非公開データを使用しないことを誓約した。アマゾンはまた、1回のクリックで購入できる「購入ボックス」で、外部の小売業者に平等な機会を与え、今後の7年間、プライム配送サービスを受ける資格を与えることを誓約した。

アマゾンは、巨額の罰金の支払いを避けるために、夏ごろからこの譲歩を提案していた。

アマゾンに科される制裁金は、全世界の年間売上高の10%にも上る可能性があり、昨年の実績から試算すると制裁金の額は470億ドル(約6.2兆円)と、反トラスト法違反の罰金としては過去最高額に達する可能性があった。

しかし、欧州委員会は、アマゾンが今回の取り決めに違反した場合、EUは年間売上高の最大10%の罰金、または1日の売上高の最大5%の罰金を違反があった期間に対し科すことができると述べている。

欧州は、ハイテク企業に対し世界で最も厳しい規制と反トラスト法に対する制裁を科すことで知られている。EUは19日、フェイスブックの親会社のメタが、Facebook Marketplaceのクラシファイド広告(個人間の物品売買などの広告)市場で競争をゆがめ、支配的地位を不当に利用していると警告した。グーグルとアップルも、EUの反トラスト法に違反する可能性があるとして調査を受けている。

さらに、EUの当局者は今週、イーロン・マスクの新たなツイッターのポリシーが、EUのデジタル規則に違反する可能性があると発言した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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