今季、オリックスを26年ぶりの日本一に牽引し、首位打者のタイトルを2度獲得するなど、日本球界最高の外野手として実績を重ねてメジャー挑戦に至った吉田だが、これ程の大型契約を予想したメディアは少なかった。
昨年、カブスと5年総額年俸8500万ドル(約113億円)で契約した鈴木誠也外野手を超え、メジャー移籍1年目として「日本人野手史上最高」となる年俸総額だ。
メッツへの入団を17日(日本時間18日)に正式発表した、千賀滉大投手の5年総額7500万ドル(約102億円)を上回る契約に、球界関係者の間では「払いすぎでは?」という囁きも聞かれ、吉田の代理人を務める米大手エージェント「ボラス・コーポレーション」のスコット・ボラス代表の手腕が大きいとする声も多かった。
本拠地ボストンのフェンウェイ・パークで15日(日本時間16日)に行われた入団会見に臨んだ吉田本人でさえ、「正直、びっくりしました」と驚きを隠さなかったほど。
だが、会見に同席したレ軍のブルーム野球部門最高責任者は「我々以外にも、彼を高く評価した球団が複数あったと聞いており、我々の査定には自信を持っている」と、市場価格を見据えた正当な提示額という認識を強調。
「我々は時間と労力を掛けて調査を続けてきたし、スカウトの報告、パフォーマンスの分析など、あらゆる面で彼は突出していた」と吉田の活躍に自信をのぞかせた。
写真左より)ボストン・レッドソックス社長兼CEOのサム・ケネディ氏、最高野球責任者のハイム・ブルーム氏、吉田正尚外野手、吉田選手代理人のスコット・ボラス氏(Photo by Barry Chin/The Boston Globe via Getty)
異彩を放つ吉田のデータ
レ軍が注目したのは、「三振しない出塁マシーン」の異名を持つ吉田の打席内容だ。