新型コロナによる全世界死亡者数は1500万人で公式記録の約3倍、WHO発表

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2020年1月~2021年12月の間の超過死亡数が最も多かったとWHOが推定した国々は以下のとおりだ。

1. インド
2. ロシア
3. インドネシア
4. 米国
5. ブラジル
6. メキシコ
7. ペルー
8. トルコ
9. エジプト
10. 南アフリカ

超過死亡数を過去の傾向に基づく推定死亡数と比較して考えると、異なる景色が見えてくる。この数値は、パンデミックがペルーに対して特に破壊的影響を与えたことを示唆しており、同国ではパンデミック中の死亡数が倍増したとWHOの推定値は示している。WHOの推定に基づく他の影響の強い国には、エクアドルとボリビア(定より50%前後死亡数が増えた)、メキシコとアルメニア(40%前後増加)がある。研究チームは、超過死亡数と定死亡数を比較した場合、人口の少ない国が悪い結果になっており、超過死亡の絶対数で1位のインドは、影響を受けた国のワースト順位では21位、絶対数4位の米国はワースト25に入っていないと指摘している。

WHOによる超過死亡の推定は他者による計算よりも控えめだと本研究に関する意見記事を書いたエンリケ・アコスタは述べた。アコスタはこの研究には関わっておらず、スペイン・バルセロナのCentre for Demographic Studies、およびドイツ、ロストックのMax Planck Institute for Demographic Research(マックス・プランク人口研究所)の人口統計学者、社会学者だ。彼は本研究について、研究チームは自らの研究に「疑わしい推論」(特に、地方レベルから国レベルへの死亡数の推定)があることを公表してはいるが、データの欠落のために選択の余地がほとんどなく、そのデータを使う上で「明確な代替案がなかった」ことを指摘した。それでも「これらの推定値に疑いがあるとしても、ほとんどの数値が公式死亡数よりも新型コロナによる死亡数の真実に近いことは間違いない」とアコスタは書いている。確認された死亡数のみに依存することは「パンデミックの被害が低所得、中低所得諸国に少ないことを示唆しがちであるが、この仮定は到底信じがたく、無責任とさえ言える」とアコスタは付け加えた。

666万人。これがジョンズ・ホプキンス大学による公式集計データによる全世界のパンデミック開始以来の新型コロナによる確認済み死亡数だ。エコノミストによる超過死亡数の最新推計値は2100万人だ。公式データで見ると、米国は世界のどこの国よりも新型コロナ死亡数が多い。CDC(疾病管理予防センター)のデータによると、110万人がこのウイルスによって死亡している。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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