新型コロナによる全世界死亡者数は1500万人で公式記録の約3倍、WHO発表

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新型コロナウイルスの世界的大流行によって、2020年と2021年に世界で1500万人近くが死亡した可能性があると、2022年12月14日にネイチャーに掲載された世界保健機関(WHO)の論文が推定している。これは公式発表されている数値の3倍近くであり、各国が平常に戻ろうと努力している中、この疾病の破滅的で遠大な影響を改めて強調している。

2020年および20201年の新型コロナウイルス感染症に関連した死亡数は、世界でおよそ1480万人だったと最新のWHOの推定値は示しており、公式に発表されている540万人を2.7倍以上も上回っている。

推定された追加死亡数のうち、447万人が2020年に、1038万人が2021年のものだと研究チームは述べている。

この大きな数値は、パンデミック最初の2年の「超過死亡」の推定値に基づいている。パンデミックが起きていなかった場合に推測される死亡数と実際の死亡数の差を比較した値だ。

WHOの研究チームは、超過死亡数を調べるほうが、公式統計を見るよりもパンデミックによる死亡数をより詳細に理解できると語った。超過死亡数は、公式統計には現れない検査能力の欠如や新型コロナによる死亡であるとする認定基準の相違、集計値の矛盾、不完全さあるいは完全な欠落などの影響を排除できるとともに、大規模な医療崩壊などパンデミックと間接的に関連する死亡数も考慮に入れられるからだ。

絶対数で見ると、インドは他のどの国よりもパンデミック関連死亡数が多く、推定470万人はインド政府が報告した公式死亡数のおよそ10倍だ。インドに続きロシア(110万人)、インドネシア(100万人)および米国(93万2000人)がそれぞれ新型コロナウイルスパンデミックによる超過死亡数の2~4位だったとWHOは推計している。

新型コロナウイルスのパンデミックが原因となっている正確な死亡数はわからない。研究者が指摘するように、公式統計は不完全でありパンデミックによる死亡数をかなり低く見積もっている可能性が高い。公式なパンデミック死亡数を混乱させる問題の多くは、超過死亡数の計算にも影響を与えており、約半数の国が精度の高い完全な死亡データを持っていなかったという。こうした隙間を埋めるために用いた仮定の違いがさまざまな推定値をもたらし、別の研究者たちはWHOチームとは異なる数値に到達している。同じ時期について、ある保健衛生研究者のコンソーシアムは超過死亡者を1820万人と推定し、エコノミストはおよそ1600万人と推定している。
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翻訳=高橋信夫

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