ボイジャーは12月19日のプレスリリースで、バイナンスUSが同社の暗号通貨ポートフォリオを約10億ドルと評価し、追加で2000万ドルを支払うという「最高かつ最善の条件」を提示したと述べた。同社は1月5日に裁判所でこの取引の承認を受け、4月18日までに契約を確定させる予定という。
暗号通貨のレンディングを手掛けるボイジャーが7月上旬に破産を申請した後、FTX US が約14億ドルで同社の資産を購入すると申し出た。しかし、FTX自体が流動性の危機に直面し、11月に破産を申請した。
バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は、競合の取引所のクロスタワーらと並んで、11月末にボイジャーの入札に参加した。
暗号通貨市場は、昨年11月に過去最高の3兆ドルの時価総額を記録して以降に2兆ドル以上の価値を失っている。CoinMarketCapのデータによると、現在の時価総額は約8000億ドル(約1兆1000億円)とされている。
ボイジャーは、今年の市場の急落を受けて危機に直面した最初の企業の1社だった。6月27日にボイジャーは、6億7500万ドルの支払いを怠ったとして、シンガポールに拠点を置く暗号ヘッジファンドThree Arrows Capital(3AC)にデフォルト通知を発行した。
それから数日後の7月6日にボイジャーは連邦破産法11条の適用を申請した。「私はこの業界の未来を強く信じているが、市場の長引く低迷は、当社に決断を迫ることになった」とボイジャーのスティーブン・エールリッチCEOは声明で述べた。同社は、裁判所への提出書類で、債権者が10万人以上で保有する暗号通貨の価値が最大100億ドルと述べていた。
(forbes.com 原文)