令和に美化されるギャルカルチャー 平成リバイバル現象のワケ

令和になり、平成ギャルカルチャーが再燃しているのはなぜか (Getty Images)

1990年代から2000年代にかけて流行した「ギャルカルチャー」ブームが令和のいま、再燃している。厚底ブーツやルーズソックス、アームウォーマーなどのアイテムが再評価され、平成に流行ったようなギャルファッションを楽しむ人も珍しくなくなってきた。

SNSによりY2Kや韓国ファッションが日本のギャルカルチャーに合流する流れも関係しているのかもしれない。なぜいま「平成文化」の一つとしてギャルファッションやカルチャーがリバイバルしているのか。さまざまなメディアで平成ガールズカルチャー論を考察しているTajimaxさんに聞いた。

*Y2Kとは「Year2000」の略称で、2000年代に流行したファッションを指す。

厚底、ルーズ、アームウォーマー 復活の背景


──90年代中盤に本格的にブームとなった厚底靴は、令和のいま再流行したのにはどんな背景があるとみていますか。

まず、単純な原点回帰だと思います。皆さん深読みをして考えたがるんですが、ファッションって大体20年周期で回るんですよ。それが、一番理由として大きいと思います。2000年代から厚底靴が次第に流行から置いていかれ、セレクトショップから排除されてきた印象だったので。細かくみていくと、絶滅しかけたアイテムが「ネタ化」して受け入れられた部分が大きいです。

──なるほど。若い世代が見たことなかった、着用したことがなかったという目新しさは、流行自体が20年前位のものだったからということですか。

はい。現在ではY2Kと言われていますが、理由はシンプルだと思いますよ。「単純にかわいいな」と思っていてもマス向けに販売されていなかったから。今は色んなショップに厚底靴が販売されていて、買いやすくなったのが大きいのではないかと思います。それはインフルエンサーたちがファッションに上手く取り入れたのが、絶滅しかけたアイテムが再び流行した背景にあると思います。そういうこともあって、ブランドがリリースしはじめたのが大きいのではないでしょうか。安い値段で普通のところで買える金額で販売されていると、みんな買いやすくなるじゃないですか。

──最近ではルーズソックスに加えて、アームウォーマーをしている人を見る機会も出てきたんですけど。こちらについてもどう思いますか。

アイテムとして進化しているのが大きいと思います。例えばルーズソックスも少しタウン仕様になってきた。あとはアームウォーマーも90年代後半ではカジュアルなアイテムとして扱われていましたが、今では結構モテ系ファッションのひとつになったというのが大きいんじゃないですかね。出てくるカリスマも時代の中で変わったところもありますし。

BLACKPINK
世界にファンをもつBLACKPINK (Getty Images)

──例えば、ギャルタレントに限らず、あのちゃんといったアーティスト的なタレントも身につけるようになってきた影響も大きいと考えますか。

真似したいと思える人たちが身につけているのは、大きいですね。再ブレイクするきっかけのひとつは、BLACKPINKを筆頭とするK-POPだった気がします。アームウォーマーにしても、ミニスカにしても、彼女たちは自由にミックスさせて着ていて。若い世代から見ても純粋にかわいいと思える。最近では「SHEIN」といったウェブサイトで、プチプライスで買えるようになったのも大きいと思います。
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文=冨手公嘉 編集=督あかり

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