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2022.12.20 08:50

コロナを機に往診が復活か 新調査から見る在宅ケアの今後

Gligatron / Shutterstock.com

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在宅医療に関しては、昔のものが新たに復活するかもしれない。

かつて医師の診察を受ける第一の方法であった往診が、このほど技術を活用した統合臨床プログラムに進化しつつある。これには、金を節約し診察結果を改善する可能性が秘められている。

しかし、在宅医療プラットフォームを提供する企業ベスト・バイ・ヘルス(Best Buy Health)傘下のカレント・ヘルス(Current Health)が先日発表した新調査によると、在宅医療の提供は強い向かい風に直面する可能性がある。

病院や医療制度の上級責任者100人以上を対象とした調査では、約3分の2が自分の組織では現在、何らかの在宅医療サービスを提供していると答えた。また、在宅医療サービスを可能にする技術への投資は重要、あるいは非常に重要だと認識していると答えた人の割合も同程度だった。

この最新の在宅医療の傾向は、新型コロナウイルス感染症の流行により遠隔医療による診察が登場したこととともに始まった。しかし、在宅医療プログラムは手短な遠隔医療による検査やセラピーを大きく超えて進化している。在宅医療には現在、慢性病や急性疾患がある患者への遠隔監視や在宅サービスが含まれていることが多い。

調査対象となった病院や医療制度の指導者の3分の2近く(64%)は、自分の組織では遠隔の特殊医療や初期診療サービスを提供していると答えた。また、44%は患者に自宅での慢性疾患医療管理を提供し、34%は急性疾患後ケアや早期退院を提供していて、さらに32%は今後こうしたサービスを提供することを検討していると報告している。

また、5分の1近く(17%)は総合病院で提供されるようなサービスを既に在宅で提供している。これは、新型コロナウイルス感染症の患者が増えたことによる病床不足から始まったトレンドだ。

調査結果によると、臨床医療の指導者らはこうしたプログラムに大きな潜在性があると考えている。3分の2を超える人(69%)は、自宅で医療を提供するメリットの一つは再入院を減らすことだと答えていて、入院の減少と救急外来の利用減少を主なメリットとして挙げていた人はそれぞれ60%と59%だった。

同様に、56%は患者の体験向上を機会点として挙げていて、これは他調査でも改善が必要な分野とされている。在宅医療サービスの他のメリットとしては他にも、運営費の削減(37%)や患者のケアの質改善(31%)、より多くの患者に対応できること(31%)が挙げられた。

カレント・ヘルスのクリストファー・マッカン最高経営責任者(CEO)は発表で、「当社の調査では医療制度の役員らが在宅医療について熱意を持っていて、患者にとってベターな場合が多いと考えていることが分かった」と述べている。
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翻訳・編集=出田静

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