健康状態の悪化が懸念されているペレについて、「王様のために祈る」とツイートをしたパリ・サンジェルマン所属の若きストライカーに、ペレは感謝の言葉を返すとともに、その新たな功績を次のようにたたえた。
「この大会でまた一つ、私の記録を更新してくれたことを嬉しく思っているよ。友よ!」
エンバペはこのときまでに、W杯通算9得点をマーク。24歳以下の選手による最多得点の記録を更新していた。だが、この記録が更新されるのにかかった60年という年数は、ペレがその若さでいかに多くのことを成し遂げたかを物語っている。
1958年に開催されたW杯スウェーデン大会に初出場したペレは、4年前のロシア大会で大活躍した当時19歳のエンバペより、2歳若い17歳だった。2人はいずれも10代の若さで、自国に栄光をもたらすことに貢献していた。
エンバペが、サッカー史上最も偉大な選手の一人とされるペレに並ぶ評価を得る可能性は、さらに高まっている、だが、エンバペのようにペレと比較される選手が、これまでいなかったのは、なぜだろうか。
カタール大会でエンバペは、クリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシに次ぐ選手との位置づけだ。3位はネイマールとの見方もあるだろう。
カタールW杯でのロナウド(Photo by Eric Verhoeven/Soccrates/Getty Images)
ロナウドとメッシを上回る点も
アルゼンチン代表として2006年のW杯ドイツ大会に出場したとき、メッシはロシア大会に初出場したエンバペより年下だった。大きな期待が寄せられていたが、このとき、スターティングメンバ―での出場はなかった。
メッシの長年のライバル、ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドも、2006年の大会に21歳で初出場した。メッシよりも出場機会が多かったことから、比較すれば若干良い結果を残したといえる。だが、今回のエンバペのように、大会を席巻したとは言い難い。