米政府のTikTok禁止は一般ユーザーにとって何を意味するか

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最近、Wi-Fiルーターの問題を解決する方法を説明したTikTok(ティックトック)の動画を見た。本当につまらないものだったが、その動画は私が実際に使っているGoogle(グーグル)ルーターに言及していた。わずか数分で、私は解決し方を学び、自宅の角のオフィスから仕事に戻ることができるようになった。

ここ数年、TikTokがこの点にほとんど欠かせないものになっていることに気づいた。なぜか、私たちは数秒から数分だが、ちょうどよい情報量を提供してくれる短編動画コンテンツ、リール、クリップに引き寄せられるようになった。私たちはみんな、忙しく、過労とストレスを抱えており、TikTokの動画をめくることで、退屈を解消し、問題を解決することができるのだ。

最近、このアプリには厳しい目が向けられている。

上院は、連邦政府が所有するデバイスからこのアプリを禁止したいと考えている。この措置は、今後下院に移り、その後バイデン大統領のもとに行くことになる。いくつかの州は、政府の使用を制限するTikTok禁止を提案している。

これは、広範囲に影響をおよぼす重大な動きだ。上院はこの法案を迅速に可決した。これは中国が私たちのデータを採取する際に起こりうる脅威に対処するためのものだ。各州も同様に、政府によるTikTokの利用を懸念している。

ここで問題になっているのは、国家の安全保障だ。

FBI長官のクリストファー・レイが、中国政府がTikTokから収集したデータを使って国家運営に影響を与える可能性について説明しており、これには選挙時の投票率なども含まれると思われる報告書もある。別の報告書では、中国政府がユーザーから収集したデータを使ってアルゴリズムを変更できることから、TikTokは「巨大な脅威」であるとされている。

これがどのように機能するかは想像がつくだろう。例えば、あなたが政治的な問題に関するクリップを見たとする。そのような動画を見せないように、アルゴリズムが調整される可能性がある。アルゴリズムが操作できるのであれば、ユーザーも操作できる。中国は、陰謀論を支持したり、選挙に影響を与えたり、意見の不一致を作り出すために、私たちが見る動画に手を加えることができる。

より大きな問題は、データ収集について私たちが知らないことに関係している。監視やセキュリティに関してよくあることだが、外国企業が所有するアプリがもたらす未知の脅威は、議員が最も懸念するところだ。

中国がTikTokから収集したデータをどのように利用するのか、私たちにはわからない。このような未知の脅威が存在する場合、一般的なコンセンサスは、特に国家安全保障に対するリスクがある場合は、アプリ全体を全面的に禁止することだ。

次はどうなるか。アプリを完全に禁止する。アプリストアからアプリを削除する。

これはほとんどの人にとって深刻な問題だ。なぜなら、どれだけのデータをどの組織に渡すかを決めなければならないからだ。私たちの多くは、Facebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)のようなアプリと妥協している。私たちはデータを提供し、彼らは私たちに広告を販売する。

それらは米国の企業だが、TikTokはそうではない。地政学的な影響は、現実的で目に見えるものだ。TikTokに関していえば、懸念はより広範囲におよぶ。現在のところ、禁止令はまだ出ていないが、それは時間の問題だ。

forbes.com 原文

翻訳=上西 雄太

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