自動運転の物流トラックの開発・設計・配備を行うEinrideは12月7日、2億ドルのエクイティ調達と、3億ドルのデット(借入)で合計5億ドル(約680億円)の資金を確保したと発表した。
借入はバークレイズ・ヨーロッパの主導によるもので、エクイティの投資家にはスウェーデンの年金基金のAMF、EQT Ventures、Northzone、Polar Structure、Norrsken VC、テマセクらが含まれている。Goldman Sachs Bank Europe SEは、この増資の単独プレースメントエージェントを務めた。
調査会社CB Insightsのデータによると、グローバルのVC投資額は、第3四半期に745億ドルに減少し、過去9四半期で最低の水準となった。
Einrideの創業者でCEOのロバート・ファルクは「厳しい環境の中でこのような資金を確保できたことは非常にありがたい」と述べた。彼は、Einrideが投資家の支持を集める最大の理由が、誇大宣伝を行わないことにあると話す。
「この分野の多くのスタートアップは、物理的に不可能なことを宣伝して資金を調達しているが、当社は、長期的な視野で事業を行っている」とファルクは述べた。同社に3億ドルの融資を行ったバークレイズ・ヨーロッパの幹部は、Einrideのテクノロジーや環境に関する理念への信頼をベースに、彼らを支援したと述べている。
2016年設立のEinrideは、拡大への道を急ピッチで進み、昨年、米国でのオペレーションを開始した。同社の「Einride Pod」と呼ばれる車両は、自律走行する電気自動車(AET)で、ドライバーを乗せるスペースをなくし、代わりにオペレーターが遠隔で監視する仕組みになっている。同社は、これらの車両の充電インフラや接続ネットワークを管理するためのプラットフォームの「Einride Sag」の運営も行っている。
Einrideは過去1年間でドイツ、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ、ノルウェーへの進出を発表し、米国ではElectrolux、GE Appliances、Haier、Bridgestoneなどの顧客向けに事業を開始した。同社は、米国の公道上でセーフティドライバーを乗せない自動運転車の走行を許可された初めての企業で、10月にその試験走行を成功させた。
Einrideは、米国に地域オフィスを開設し、ニューヨークに本社を構えている。
(forbes.com 原文)