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ビジネス

2022.12.16

落合陽一が大臣たちに直言した「商工中金問題で、政府に問われている本当の宿題」

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ピクシーダストテクノロジーズ 落合陽一(Getty Images)

政府系金融機関「商工組合中央金庫」(商工中金)のあり方を検討する有識者会議の初会合が、12月16日、経済産業省で開かれた。会場には、西村康稔 経済産業大臣や、商工中金の関根正裕社長、事業者側からは、ピクシーダストテクノロジーズの落合陽一氏らが参加し、議論した。

西村大臣は冒頭、「中小企業のための商工中金のあり方の議論をお願いしたい」とし、更に「時代の変革に対応したスタートアップ、DX、GXへの支援」などの役割も期待したいと述べた。

商工中金といえば、2016年に危機対応融資を巡り、書類改ざんなどの不正が発覚、当金融機関の5割弱を出資する政府は、これまで新しいビジネスモデルやガバナンスの体制を検証してきていた。当会合では、これまで取り組んできた改革の実効性は発揮されているのか、また、真に中小企業にとっての必要な金融機関として機能し得るのかについて議論され、これまで何度も先送りされてきた商工中金の完全民営化についての是非が問われる。

2019年に商工中金から10億円の資金調達をしたというピクシーダストテクノロジーズ。一般的にスタートアップはエクイティでの調達が多いが、デットで調達した落合氏は当時を振り、当該時期の希薄化を回避できるという意味で「非常に意味が大きい」と言う。

「スタートアップというのは基本的にエクイティを削りながら、調達した金額を次の調達ギリギリまで使い切るということが最も大切なこと。それは、投資だったら投資にひたすら回すということですし、パイプラインや事業の拡大だったら事業の拡大に回していきますが、そこに色の違ったお金が入ってくるというのは、経営ポートフォリを多重化するという意味でも、そして事業のコアなものを作る意味でも、意味があった」。

また担保になるものが少ないスタートアップにとって、民間の金融機関と違い、無担保や経営者保証なしで調達できる政府系金融機関のメリットも小さくないという。

現在、日本は低金利時代が本格的に終わりを告げ、株価も低迷期に入る様相を見せ、次なる成長期までの間は成長シナリオは描きづらくなっている。そんな中で、政府は今年2022年を「スタートアップ創出元年」と位置づけ、スタートアップを育成させることで経済の活性化につなげていきたいとしている。実際、岸田政権は2027年までに国内スタートアップへの投資額を10倍超の10兆円となる目標値を設定している。
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文=谷本有香 編集協力=大柏真佑実

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