チーム内の葛藤、勝利をもたらしたピボット
第5話では、意見対立からチームを再編成せざるをえなくなり、木下がTEAM RED からTEAM BLUEに加入。藤巻は同じく起業経験者である木下に家電D2C事業へのピボットを提案した。
渡辺も加えた3人で方向性を決めるシーンで、ボディソープ事業に思い入れのあった渡辺はピボットへの理解も示しつつ、「(私は)事業経験がないので、ボディソープじゃなくなったときにどうやってかかわっていったらいいのかわからない」と不安を口にする。
「彼女(渡辺)が抱える葛藤は、私が途中参加したことで生まれたものもあると思います。とはいえ事業を進めて勝ちに行くとなったとき、本当にそれが最適解なのか本音で話し合う必要がありました。仲よしこよしのままでは絶対に生まれていなかった状況。チームが固まるきっかけになりました」(木下)。
話し合いにより、家電D2C事業へのピボットが決定。藤巻は渡辺に「3人で勝ち切ることを約束する。ついてきてほしい」と、リーダーを渡辺から藤巻に変わるように依頼した。藤巻は「起業経験のある僕が強引に引っ張っていっても視聴者は白けると思い、当初はほかのメンバーのバックアップに回ろうと考えていました。しかし、途中から『本当にボディソープでいいのか』『やるなら大きな事業をやりたい』という気持ちが芽生えてきた」と振り返る。
「リーダーシップを発揮すべき人が、最初は様子を伺い調整役を請け負うものの、途中から『やっぱり俺についてきてほしい、任せてくれ』となるのは、実際に事業をやっていくなかでよくあること。
この縮図を見せられたのはよかった。視聴者にとっては、『こういう展開が自分たちの事業のなかでも出てくるかもしれない』『こういうときにはこうやって解決すればいいんだ』と、ひとつのナレッジになればいいなと思います」(青木)
左から、チーフメンター・青木康時、TEAM BLUE・渡辺結衣、同・木下マリア、同・藤巻滉平。TEAM BLUEの3人はメンバーの変更や事業内容のピボットを経て、固い絆で結ばれた
TEAM BLUEの家電ブランド「cadre(カドレ)」のコンセプトは、「new for you」。「テクノロジーのnew、デザインのnewなど、生活における快適でさまざまなnewを提供していきたいと考えています。家電は使いこなせていない機能も多いですが、cadreの製品は使い方もシンプル。また、デザイン性に優れ、使用していないときもデザインとして機能する。そうした新しい価値を届けたい」(渡辺)