テクノロジー

2022.12.19 10:00

ニコンが画像の不正使用を防ぐデジカメ開発中、アドビと共同開発の来歴記録機能

アドビによるCAIの活動について現在地を紹介するメディアセミナーが開催され、ニコンの井上雅彦氏がデジタルカメラの取り組みを語った


ニコンが来歴記録機能を搭載するカメラを開発


ニコンは現在、C2PA規格に準拠した来歴記録機能をデジタルカメラに搭載する方向で技術開発を進めている。今回のデモンストレーションに使われたのはミラーレスカメラ「NIKON Z9」をベースに、来歴記録機能を組み込んだコンセプト機。だが、開発はまだ始まったばかりであり、ニコンは将来NIKON Z9が来歴機能に対応する予定はないと伝えている。対応するカメラを商品化する時期や機種についてもまだ明らかにしていない。
advertisement


ニコンZ9をベースにしたデモンストレーション用のコンセプト機。実際にZ9が来歴記録機能を搭載するわけではないとニコンは説明する

課題はユーザーがシャッターを押した瞬間、遅延なく来歴記録をメタデータに書き込む必要があること。そのためデジタルカメラの側にある程度高い演算処理能力が求められる。ニコンは当初プロフェッショナル向けの上位モデルから機能の実装を目指す。同社井上氏は「将来はニコンのデジタルカメラを使用する全ユーザーが、来歴記録機能がもたらすメリットを享受するべき」とも述べている。

画像の編集履歴をチェックする「確認サイト」のベータ版が始動


アドビはウェブサイトに、ベータ版のサービスとして「確認サイト(Verify)」を公開した。C2PA規格に準拠した環境で制作された画像ファイルは、Verifyサイト上で「ファイルを確認」すると、ファイルがどのようなカメラで撮影され、制作アプリケーションにより加工されたものであるか、来歴記録をブラウザ上で可視化できる。
advertisement

ニコンのカメラで撮影した画像ファイルを記憶媒体を通じてPCに取り込み、Adobe Photoshopで編集を加えたファイルを「確認サイト(Verify)」にアップロードすると来歴記録の詳細が確認できた。


「確認サイト(Verify)」に画像をアップロードすると、撮影された機材、途中編集の手を加えたアプリケーションの情報が表示される
次ページ > コンテンツを使う側の理解も深めたい

編集=安井克至

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事