例えば、zoomで世界中のどことでも簡単に商談ができるようになっただけではなく、商品を流通してくれるエージェントやプロモーション会社、個人のインフルエンサーにいたるまで、海外の販売代理店などにこれほど簡単にアプローチできるようになった時代もないでしょう。
さらには輸入も、輸出も、その方法や秘訣がYouTubeで簡単に学べる時代です。これほど、為替の変動が大きい世の中で、日本に引きこもっているのはナンセンスというか、超リスクです。やらない手はないと言えます。
さらにいえば、両方を自分でやらなくても、M&Aによってリスクヘッジする、輸出している会社、輸入をしている会社の両方のビジネスを保有する、というアプローチも考えたいものです。
為替のヘッジといった話だけではなく、1. あらゆる可能性を含めて「想定外」と言わなくて済むように未来を見据えておくこと、2. 想定外が起きてしまっても柔軟でスピーディに対応できる自分であることが求められます。ひとつのカゴに卵をすべて入れるな、と投資の世界では言われますが、歴史的転換点だからこそ、フレキシブルな対応ができる準備をしておくことがより一層求められるのです。
これからは、アフターコロナ、戦争、新グローバル化や通貨のデジタル化の続行など、乱流が起きる時代になります。「嵐で荒れる波」そのものに目を向けるのではなく、静かに漂う「水面下の動き」に目をこらしてください。そこで、情報収集能力を高める行動、情報が得られるコミュニティに触れることを常に意識したいものです。
コミュニティからの「水面下の情報」で、危機を乗り越える
最後に、コミュニティの話をして、このコラムをまとめていきたいと思います。「フラット化する世界」の著者、トーマス・フリードマンが、ダボス会議において、「SuperpowerとSuperpowered Individualとの戦いになった」との発言に、私は強く共感しました。それは、SNSによって個人のパワーが増大し、企業や政府の行動をも左右する時代になった、という意味です。
そこで提案したいのが、「普段自分がいるコミュニティから広げて、新しいコミュニティに参加すること」です。何かの同好会やスポーツコミュニティのみならず、地域のボランティア組織、またリアルなコミュニティだけではなく、Facebook グループ、オンラインサロンなど参加したことのない場に足を踏み入れて、情報感度を高めておくことは、これから必須の活動です。
例えば、TikTok やインスタグラム。若者のお遊びと認識している経営者がいたのなら、今すぐ認識を改めて覗いてみてください。そこで体験できるのは、別世界の現実として起きている情報収集の新しいカタチです。テレビで観るニュースとは違った世界がそこにはあります。
そういった表面下の動きを新しいビジネスのアイデアを得るために活用して欲しいのです。もちろん、オンラインのコミュニティだけではなく、BNIや倫理法人会といった経営者団体、地元の趣味のコミュニティなどでの出会いからも、新しい情報を得ることは可能です。
個人的な余談ですが、夏休みの家族旅行で宮古島の地元のコミュニティからの情報収集のおかげで、レンタカーやタクシーであまり困らなくて済んだこともコメントしておきます(笑)。
このコラムを読んでいただいている皆様、今年もありがとうございました。よいお年をお迎えください。そして、来年2023年が、皆様にとって飛躍の年となりますことを願ってやみません。