ホワイトハウスは発表した声明で、無料検査キットの配布は用意していた資金が不足し始めたことで9月に一時停止したものの、感染・入院者数が増え始めたことを受け、“残されたわずかな資金”で再開することを決定したと説明している。
今年1月に開始し、9月に一時停止するまでに配布した無料の迅速検査キットの数は、およそ6億セットにのぼっているという。連邦議会はいまのところ、コロナ対策向け予算の追加に関する法案を可決していない。
ホワイトハウスはまた、感染者の急増により体制がひっ迫する医療機関が出てくれば、連邦政府が管轄する医療機関のチームが支援を行う予定であること、介護施設などでマスクやガウン、人工呼吸器などが不足すれば、支給する計画であることなどを明らかにしている。
感染は10月半ばから再び拡大
米国では10月中旬以降、感染者の増加傾向が続いており、公衆衛生の専門家や当局関係者は、感染の新たな波は「間近に迫っている」と警戒している。米疾病対策センター(CDC)のデータによると、1週間当たりの感染者数は、10月半ばの約26万人から、11月末には約30万人、12月第1週には約46万人に増加している。
また、12月第1週にはおよそ3000人の死亡が報告されており、前週から60%以上の増加となった。11月の死者数は1日あたり約300〜400人、月間では少なくとも9000人にのぼったと推定されている。
「トリプルデミック」を懸念
新型コロナウイルスの感染者数はこの冬、RSウイルス(RSV)やインフルエンザウイルスの感染者など、その他の呼吸器疾患の患者と同時に増加することが懸念されている。
一部では「トリプルデミック」とも呼ばれるこの脅威によって、すでに多くの州の小児科病院で、体制がひっ迫している。幼い子どもたちに加え、高齢者もまた、再び危険な状況に直面している。
米国では数カ月前から、マスクを着用する人が減少していた。だが、医療の専門家らは、感染対策として使用を再開することを勧めている。(流行が広がりやすい)寒い時期であることや、感染者が増加していること、年末年始の休暇もあることなどから、安全に過ごすために必要な対策だとしている。
(forbes.com 原文)