キリストの誕生を知らせた「ベツレヘムの星」の真実

イエス・キリスト生誕の日に輝く星たち(Getty Images)


この明るい星と関連づけられる別の説としては「惑星の王」の再登場がとりわけ魅力的な月による木星食や、木星、金星および明るい恒星レグルスによる三体接近がある。あるいは、紀元前7年に地球の近くを通過したハレー彗星や、輝ける「超新星」として爆発した恒星だった可能性もある。

それが何か物語に花を添えるとしたら、私は金星に賭ける。この「地球の姉妹惑星」と木星は、他を引き離して地球の空で最も明るい惑星だが、上を行くのは金星で、最大マイナス4.7等級で輝き、対する木星はマイナス2.8等級だ。

まもなく金星は「ベツレヘムの星」と間違われてしまう理由を、非常に明るく地平線の非常に近くで輝くことにで説明してくれるだろう。人は地平線の非常に近く、視線のまっすぐ先にある明るい物体の方が、夜空高くにある星よりもずっと見つけやすい。

2023年に金星は夕方の空高く昇り、2023年1月21日、22日に土星の近くを通過する。

クリスマスイブに外へ出て、日没後の南東を見ると、明るく輝いている金星のスニークプレビューを見ることができるかもしれない(ただし、遮るもののない地平線の眺めと、おそらく双眼鏡が必要だ)。

輝面比4%の細身の三日月と金星その上方に水星。実に美しい光景だ! だが急げ、トリオはすぐに沈んでしまう!

クリスマスの星の起源は現在も謎のままだが、明るい惑星が「突如」現れることは想像に難くない。結局、これからの夜空にゆっくり昇る金星でさえ「あれは何?」と聞く人はいるだろう。数週間の間毎晩少しずつ高く昇っているのだが。

金星が突然現れたように見え「夜空の奇妙な光」(UFO)について専門家に電話する人が多くなるのには理由がある。人は冬にあまり外へ出ないからだ。

ひとたび外へ出ると、それまでまったく気づいていなかった夜空のすばらしい天体の数々に人は驚く。それは天文学者たちが晴れた夜にいつも驚嘆の目で見ているものとまったく同じだ。

澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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