ランバンの評価額は、3月にこの取引がアナウンスされた当初は12億5000万ドルとされたが、その後は10億ドルに修正された。
ランバンのジョアン・チェン(Joann Cheng)会長兼CEOは10月の決算発表で、「調整後の評価額は、世界中で未開拓の市場の成長機会を捉え続けている当社が、投資家に非常に魅力的なエントリーポイントを提供するものだと考えている」と述べた。ランバンの株主は、株式公開で5億4400万ドルの調達を見込んでいる。
ランバンの上半期の売上高は、アジア、ヨーロッパ、北米での好調な売上に支えられ、前年同期比73%増の2億200万ユーロ(288億円)を記録した。中国での売上高も、新型コロナウイルス関連の規制にも関わらず、前年同期比32%増だった。
「当社は、伝統あるブランドの象徴的なポートフォリオを構築し、ここ数年、力強い成長を記録した。高級ファッション分野への規律ある投資を通じて、継続的な成長を推進する」とチェンは述べている。
ランバンは、1889年にジャンヌ・ランバンによって設立されたフランスで最も古いファッションハウスをルーツとするブランドで、現在のグループの本社は2018年に同社を買収した復星国際の拠点の上海に置かれている。
ジャンヌ・ランバン。スタジオにて(1930年撮影、Getty Images)
復星国際は、ランバンだけでなくイタリアの靴メーカーのセルジオ ロッシ(Sergio Rossi)、オーストリアの高級レッグウェア大手のウォルフォード(WOLFORD)、アメリカの婦人服のセント・ジョン(St John)、イタリアの紳士服ブランドのカルーゾ(Caruso)などのブランドを所有・経営している。
香港市場に上場する復星国際は、クラブメッドを含む国際的ブランドを構築し、観光事業や鉱業、製薬、鉄鋼分野にも事業を拡大している。フォーブスは、同社を1992年に共同創業したグオの保有資産を35億ドルと試算している。
(forbes.com 原文)