グリフィンはフロリダ州南部地区の連邦地裁に起こした訴訟で、プロパブリカが昨年6月にグリフィンらの納税記録をもとにした記事を発表し、さらにグリフィンによるロビー活動などを扱った続報を出したあと、IRSは秘密情報である納税記録の保護措置を講じるのを「故意に」怠ったと主張している。
また、プロパブリカへの納税記録開示は納税者本人の要請に基づくものではないとし、税法の規定に従って違法開示1件につき少なくとも1000ドル(約13万5000円)の懲罰的賠償金と弁護士報酬を受ける権利があると主張している。
連邦政府職員による納税記録情報の漏えいは重罪にあたる。一部の議員はプロパブリカの入手した秘密情報が「IRS内部からもたらされたのはほとんど疑いの余地がない」としているが、入手先は不明のままだ。IRSと司法省は漏えいについて調査していることを明らかにしているが、これまで刑事告発はされていない。
グリフィンは声明で、IRSの職員が「米国の成功したビジネスリーダー数百人の秘密情報である納税記録を意図的に盗んだ」と主張し、当局が漏えい源を「徹底的に調査しなかったのは容認できない」と述べている。訴訟では陪審員による裁判を求めている。
漏えいした情報によると、グリフィンは2013〜2018年の平均年間所得が約17億ドル(現在のレートで約2300億円)、連邦所得税の平均実効税率は29.2%で、全米4位の高額所得者、同2位の高額納税者だった。
財務省にコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。
グリフィンが1990年に創業したシタデルは現在、約570億ドル(約7兆7000億円)の資産を運用する。フォーブスによるとグリフィンの推定資産額は319億ドル(約4兆3200億円)。
(forbes.com 原文)