修了率が改善傾向にある米国の大学、依然として残る教育格差への取り組み

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特に、パートタイムで大学に通う学生、25歳以上の学生、BILPOC(黒人、先住民、ラテン系、有色人種)の学生の3つのグループには、退学率と修了率に大きな格差が残っていることが強調されている。

・6年間の全体の修了率が69%であるのに対し、25歳以上の学生の修了率は46%にとどまり、黒人(40%)とラテン系(35%)の高齢の学生の修了率はさらに低い

・4年制大学では、24歳以下の学生の初年度から2年目までの在籍率は、フルタイムの学生が72%であるのに対し、パートタイムではわずか40%である。それ以上の年齢の学生では、1年目の在籍率はフルタイムの学生が56%、パートタイムの学生が43%となっている

・6年間で資格を取得できたパートタイム学生は、4年制大学では21%、2年制大学では19%に過ぎなかった

報告書は、CCAが長年にわたって提唱してきたいくつかの戦略を採用することで、こうした格差に対処するよう大学に求めている。一貫して修了率を押し上げるのに役立っている、いわゆる「ゲームチェンジャー」には以下のようなものがある

・数学や英語といった科目のゲートウェイ・コースへの準備ができていない学生を対象に、従来の補習教育ではなく、同時に履修するコースに置き換える

・コース分けのために、学業的な準備について複数の尺度を使用する

・より綿密なアドバイスと高度に構造化された学期ごとの学習計画を採用する

・アカデミック・プログラムをキャリア・ゴールと合致させ、学生が大学に通うための明確な焦点と方向性を提供する

・学生の学業上のニーズに応えるため、学業支援、アドバイス、キャリア支援、コーチング支援を強化する

CCAのリーダーたちは、新型コロナウイルスの大流行による挫折にもかかわらず、このデータが修了運動が依然として正しい軌道にあることを示していると見ている。

「新型コロナ以前は州、システム、教育機関は、修了を促進し、人種や民族による格差をなくすために大きく前進していました」とCCAのリサーチ、ポリシー、アドボカシー担当のチャールズ・アンセルは述べた。「この分析は、高等教育の指導者たちが、修了の動きがすべてのキャンパス、ひいてはすべての学習者に届くよう、改革作業を継続することを後押しする確かなデータを提供するものです」

このデータはまた、アンセルが呼びかけている改革作業が、特にパートタイムで在籍している高齢の有色人種の学生に焦点を当てる必要があることを明確にしている。

これらの学生が大学1年目に多くの科目を履修できるようにすること、社会人に適したスケジュールで授業を提供すること、能力に応じて単位を取れるようにすること、学生がゲートウェイ科目で成功するために必要な前提条件のサポートを受けられるようにすることは、成功が実証された重要な策だ。

forbes.com 原文

翻訳=上西 雄太

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