テクノロジー

2022.12.27 13:30

写真共有アプリ「BeReal」を2022年マイ最優秀賞に選んだ理由


私はそういうことをするのが好きではなかったが、これはおもしろい。なぜつまらない写真を投稿するのだろうと自問した。誰かが私のスパゲッティや靴を気にかけるだろうかと私の中の何かが言った。私はFacebook(フェイスブック)やInstagramのようなアプリによって、最高の瞬間だけを投稿する習慣が身についているのだと気づいた。私は人々に気にかけてもらい「いいね!」を表示してもらいたかった。ある種の尊敬と評価が欲しかったのだ。

あなたはどうだろう。私のフィードをざっと見たところ、家族で囲む食卓や明るく照らされた冬景色、カメラ目線で愛嬌を振りまいている人などの演出された写真がある。「悪い」写真は1枚もなかった。

迷路でチーズをかじるネズミのように、Facebookは最高の瞬間を投稿することを私たちに習慣づけてきた。驚くほど良い写真はより多くの牽引力、エンゲージメント、コメント、注目を獲得する傾向があるため、アルゴリズムで価値を認められ、その結果、広告主により多くの収入をもたらす。「本物であること」はアルゴリズムでは見向きもされない。

ここで指摘しておきたい重要な点は、BeRealには広告が掲載されないことだ。そのため、ある意味で虚栄心のアルゴリズムがない。私たちがすばらしい写真を投稿しても、広告を送り込むマシンはいない。社会的な競争もない。BeRealはまた、お金を稼ごうとするインフルエンサーにアピールすることもない。虚栄心の要素がないため、トラフィックが多くても広告収入にはつながらない。

BeRealが何とかしてもっと注目を集めることができるかどうか、気になる。このアプリのデイリーアクティブユーザーは2021年は約100万人だったが、2022年8月には約2000万人にまで増えた。

これはすばらしいことだが、それでもFacebookやInstagram、Twitter(ツイッター)のような圧倒的存在には程遠い。虚栄心がなく、広告が表示されないなら、BeRealがどうやって利益を出すのかわからない。1つのクレイジーなアイデアは、我々がこのようなアプリを使用することを選び、さらにそれらにお金を払うということだ。広告を表示しないようにアプリにお金を払うという斬新なコンセプトがある。

本物志向は一過性の流行かもしれない。だが、私はそれが長く続くことを願っている。

BeRealは私が選ぶ2022年の最優秀アプリで、その主な理由は完璧な瞬間だけを投稿する私の習慣を直してくれるからだ。もっと本物志向になるよう、これからも使い続けようと思っている。あなたもいっしょにどうだろうか。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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