「働き方の多様化」が真に実現する社会へ
世界経済フォーラムによる最新のジェンダー・ギャップ・レポートは、経済活動への参画機会に関して、日本は146カ国中121位と、G7諸国の中で最下位であることを示しています。日本が先進諸国に比べて、労働市場での女性の活躍がなかなか進まない理由の一つに、どのような働き方を選択しても、仕事と出産・育児の両立を実現できる環境が十分に用意されていないことが挙げられるでしょう。これは、女性の社会進出と少子化の克服のどちらも阻むことにつながります。
同レポートは、政府があらゆるヒューマンキャピタル(人的資本)に投資し、国民が仕事と家庭生活のバランスを取りやすい環境がある国は、より繁栄している傾向があると、はっきり言及しています。少子化や労働人口不足といった深刻な課題に向き合い、真の意味で日本が「働き方の多様化」を推進するためには、さまざまな背景を持つ女性が、人生のどの時点でどのような選択をしても、それを支える社会構造や制度の整備が不可欠でしょう。
そのために、必ずしも大きなイノベーションばかりが必要なわけではありません。すでに整っている充実した制度や枠組みを、利用できる人の対象を拡大するだけで、より包括的な社会の構築に向けた変化を起こすことができるはずです。
(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)
連載:世界が直面する課題の解決方法
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