これに対してイメージングレーダーは、イーロン・マスクが「松葉杖」と呼び、不要なものとしてテスラ車から取り除いたLiDAR(ライダー)とよく似ている。イメージングレーダーは低解像度で動作する。しかし、これにはいくつかの利点がある。
1.いつでも高速の読み取りができる。LiDARの中にも可能なものもあるが、多くのものはそうではない
2.視界やLiDARなら遮られてしまう霧などの悪天候の中でもクリアに見ることができる
3.より安く、より簡単に、堅牢な半導体機器として製造することができる
他の多くの自動運転開発チームは、イメージングレーダーを使って仕事をしている。以前Waymo(ウェイモ)が、この技術の利用方法の詳細を公開した。このWaymoの動画を見ると、信号がいかに低解像度であるかがわかる。私が見た中では、水平方向解像度0.5度を謳っているものが最も高性能で、ほとんどのものの解像度は1度だった。一般的なLiDARの場合は、およそ10倍の精度となる0.1度となる。
だが、LiDARが松葉杖ならHDレーダーがそうではない理由は特にない。ほとんどのチームは両方は望んでいないし、現在のテスラはどちらも望んでいない。
それでもこうしたレーダーは、いくつかのよく知られた問題を解決するのに役立つだろう。現在テスラは、自動運転中のテスラ車が左路肩から車線にはみ出すように停車している緊急車両(など)に衝突する事故を繰り返しているとして調査を受けている。通常のレーダーでは、これを見ることができても、ガードレールと区別することはできない。イメージングレーダー(もしくはLiDAR)なら、もっと簡単に区別できるだろう。コンピュータビジョンでもそれができることを期待されているのだが、明らかにまだ「松葉杖」が必要なほど不自由なのだ。
(テスラ製ではない)このイメージングレーダーは、特殊なアンテナにより0.5度の分解能を謳っている。