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2022.12.19

在日外国人の多くが「日本で働き続けたい」 家族と暮らしたいとの要望も

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留学生や技能実習生を含む日本在住外国人の9割以上は、在留資格が切れた後も日本で働きたいと高い就業意欲を示しています。なかでも特定技能制度は人気です。しかし、家族と一緒に住みたい、在留期限を延ばして欲しい、永住権の申請を優遇してほしいといった制度の改善要望も多くありました。

これは、マイナビグループの外国人材に特化した人材紹介企業マイナビグローバルが行った調査でわかったことです。マイナビグローバルは、日本語学校と専門学校の留学生、日本での就職を希望するFacebookグループのメンバー、留学生向け就職イベントの参加者を対象に、日本語、ベトナム語、ネパール語、中国語、ミャンマー語で日本での就業に関する意識調査アンケートを実施しました。有効回答数は372件でした。

在留資格が切れたあとも日本で働きたいと答えた人は96.8パーセント。働きたくないと答えた人はわずか1.6パーセントでした。なかでも特定技能制度で働きたいと「強く」思っている人と「少し」思っている人の合計は、技能実習生で96.7パーセントと非常に多く、次いで特定活動(研究目的など)の人が66.7パーセント、留学生が65.3パーセントとなっています。



特定技能で働きたい理由は、特定技能で働きたい業界や仕事があるから(56.7パーセント)、自分のスキルを活かせそうだから(41.3パーセント)、入社前後のサポートが手厚いから(38.3パーセント)などとなっています。



しかし、特定技能では働きたくないという人の理由を尋ねると、「別の在留資格で働きたい」が半数以上のトップでしたが、家族と暮らせない、永住権が取れる見込みがない、在留期間が短いといった意見が聞かれました。これはそのまま、特定技能制度の改善希望にも反映されています。特定技能制度の改善を求める人は全体の61.8パーセントあり、家族と住めるようにしてほしい、在留期限を延ばしてほしい、特定技能での在留期間が永住権の申請にカウントされるようにしてほしいという願いが上位にあげられています。



12月14日、技能実習制度見直しのための、政府の有識者会議による検討が始まりました。人権侵害で悪名高いこの制度をなんとかしようと、日本政府がようやく腰を上げた形です。ここでは、特定技能制度と一本化する改善案も検討され、来年の秋に結論が出されることになっています。

この調査から、日本在留外国人がどれだけ日本で働きたいかがよく伝われります。つまり、それだけ日本を好きになってくれているということでしょう。彼らがそう思ってくれているうちに、なんとかよい方向にまとまってくれるといいですね。

文 = 金井哲夫

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