制作費540億円の「アバター」続編は本当に観るべき映画か?

"Avatar: The Way of Water" At The Corinthia London / Getty Images

12月16日から待望の劇場公開が始まる映画「アバター:ザ・ウェイ・オブ・ウォーター」について、多くの批評家が大ヒット作の続編としての価値とテクノロジーの素晴らしさを称賛した。

ハリウッド・リポーターは、この映画が非常に楽しめる作品だと評し、「3時間以上の上映時間と巨額の資金投入を正当化する大作であり、業界の記念碑的作品とさえ言える」と述べている。

アトランティックは、この映画が飢えた映画ファンの救世主だと述べて、その「デカダンス」を賞賛し、「本物のスペクタクルに飢えていた人々のための豪華なフルコースの料理が登場した」と書いた。ヴァラエティはこれに少し異を唱え、この映画をテクノロジー面だけで賞賛し、「登場人物にほとんど立体感がない」と指摘した。

デッドラインは、192分に及ぶ長い作品であるこの映画が、「これまで全く見たことのないものをスクリーンにもたらすことによって興奮させる先駆的な映画」と評価した。Vultureの批評家は、「こんなものが実際には存在しないという事実に、私はまだ完全に頭を整理できていない」と書き、「この精巧に作られた海底宇宙の穏やかに流れる音の中で、自分を見失わないのは難しい」と述べている。

しかし、すべての批評家がこの映画を気に入ったわけではなく、英紙ガーディアンは「キャメロン監督の海底世界は、1兆ドルのスクリーンセーバーのようだ」と書いている。

英紙は「退屈なプロット」と酷評


「ハイテクを駆使した映像以外に何があるかというと、浮世離れした退屈なプロットは、ユーモアのない子供向けの物語やヤングアダルト小説のようであり、本物の興奮を欠いたアクションスリラーのようだ」と同紙の筆者は述べている。

2009年に公開された初代「アバター」は、全世界で29億ドル以上という歴代トップの興行収入を記録したが、その続編の「ザ・ウェイ・オブ・ウォーター」の製作費は3億5000万ドルから4億ドル(540億円)と推定されている。

ジェームズ・キャメロン監督は、この映画が採算分岐点に到達するためには、「史上3番目か4番目に高い興行収入を上げる必要がある」と語っている。先月、この映画は、重要な市場である中国の当局からのゴーサインを獲得した。

「ザ・ウェイ・オブ・ウォーター」は、初週の週末に1億5000万ドルから1億7000万ドルの興行収入をあげると予想されており、今年公開された「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」や、「ドクター・ストレンジ・アンド・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス」と肩を並べることが期待されている。

「ザ・ウェイ・オブ・ウォーター」は12月12日、ゴールデングローブ賞の作品賞(ドラマ部門)と監督賞の2部門にノミネートされた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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