ビジネス

2022.12.18 11:00

奄美大島で体験する「リトリート」と「経営」との接点とは?


「三方よし」の発想でビジネス拡大へ


「利益率を上げたい。でも広告費はかけられない」。この問題は、経営者が頭を悩ます課題だ。しかし小林は、まず「ヨガ」に注目した。多くのヨガ・インストラクターにアプローチしリトリート・ツアーを主宰してみた。

すると、主宰したインストラクターの生徒やインスタのフォロワー達が、こぞって参加し、楽しかったツアーをSNSで拡散する。その派生効果が広がっていき、新たなヨガ・インストラクター主宰のツアーが次々と生まれ、生徒やフォロワー達の間で盛り上がっていった。そんな地道な戦略が功を成して、「ザ・シーン〜ウェルネスリゾート〜」の経営は、赤字の翌年には、V字復活したという。



小林は、「この成功体験を基に誕生した『ウェルトリ』を通じて、ヨガだけでなくサーフィンやゴルフなどネイチャースポーツのリトリートを広めていきたいのと同時に、それらのインストラクターの社会的価値も高めていくのがセカンド・ミッションにあります。

インストラクターで生活していける方は、実は、数%しかいないのが現状と知り、このツアーは、インストラクターご自身が自由に金額を設定出来るようにしました。これは、『アスリートのセカンドライフを応援する』という弊社『nobitel』の考え方とも合致します。そして同時に、地元の物産をフル活用して、地方創生も推進していきたいと考えています」。つまり、経営学で昔から言われている「三方よし」の発想を実践していたのだ。

プロジェクト・メンバーの役割分担で、ネイチャークレンズ・リトリートが充実


リトリートを企画販売する「ウェルトリ」のプロジェクト・メンバーのひとり、戦略PR・ブランドビルディングを展開する「マヴィ」代表の志賀祥子は、「この1年で、ウェルネスやリトリートという言葉が色々な業界やメディアで使われるようになりました。

その数年前から『ザ・シーン〜ウェルネスリゾート〜』では、ブランディングの軸をネイチャークレンズ・ウェルネスリゾートに舵を切った結果、露出は当初の8倍以上に!集客もコロナ禍において毎年増加。消費者ニーズの変化や、一歩進んだ健康意識の高まりを実感しています。

大自然に点在するリトリートに参加された方々は、初日と帰る日で、全く表情が変わります。大人のリトリート文化を広めていくのが、私共スタッフの共通の想いとして繋がっています」という。

今回のツアーは、インストラクターにタレント田中律子を迎えて企画された。田中を抜擢したのは、田中と堀越学園時代の後輩に当たる広告代理店「オーバードライブ・カンパニー」代表取締役の荻原亮史。

趣味が高じて湘南にサーフショップを経営し、今回のリトリートでは、「人」と「人」とを繋いだ。「僕自身、何度も奄美大島でネイチャークレンズをして湘南へ帰っていますので、リトリートは、女性だけでなく男性にも広めていきたいと願っています」
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取材・文=中村麻美

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