NASA「アルテミス計画」宇宙船に搭載された、意外な6つのもの

NASAの宇宙船「オリオン」のカプセルが地球に帰還し、着水成功した(Getty Images)

米航空宇宙局(NASA)は、約半世紀ぶりの有人月探索を目指すアルテミス計画の第一弾として、無人試験ミッション「アルテミスI」を打ち上げました。(12/11に試験飛行を終え、地球に帰還)

アルテミス計画では、月面にベースキャンプを建設し、それを拠点に将来的に月面探査と深宇宙探査が実施されることになっています。

「アルテミスI」のロケットには宇宙船「オリオン」が搭載されており、宇宙飛行士のダミー人形や小型探査機、月の岩石、アマゾンの音声AI(人工知能)「アレクサ」、月面に植える植物の種、世界中で愛されている漫画とアニメのキャラクターのぬいぐるみも宇宙に送られました。WEFのアジェンダからご紹介します。


米航空宇宙局(NASA)は、壮大な月面着陸計画であるアルテミス計画の第一弾として、11月に飛行試験用のロケット「アルテミスI」を打ち上げました。アルテミス計画は、人類の月面での長期滞在を視野に入れたもので、女性と非白人が初めて月面に着陸する予定です。

月面ではベースキャンプの建設も予定されています。そこを拠点とし、NASAは、月面探査と深宇宙探査による科学的発見と、宇宙で見出せる可能性のある経済的利益の模索を目指すグローバルアライアンスを主導します。また、NASAは、アルテミスベースキャンプを次なる宇宙探査の大計画である、火星への宇宙飛行士の派遣に向けた知見を得る目的での活用することを視野に入れています。

世界経済フォーラムの、宇宙分野および宇宙に関するグローバル未来委員会のリードであるニコライ・クリストフは、「アルテミス計画は、人類による将来的な太陽系探査の足がかりを築くための重要なプロジェクトである」と、今回のロケット打ち上げについて語ります。

このミッションは、全人類の利益につながるものであり、国際協調が非常に重要になってくるとも、クリストフは述べています。「近い将来、月とその周りの惑星に人類が滞在でき、さらにその先の未来において、人類を火星にも送り込むことができれば、科学的・技術的進歩が社会全体にもたらされることになるでしょう。そのためには、国際協調がとても重要な意味を持つようになります」。

「アルテミスI」の最大の目的は、宇宙船「オリオン」の宇宙飛行の有効性を試験すること。「アルテミスII」で最初の有人飛行を実施する前に、大気圏再突入から降下、着水、回収までが安全に実施できるかを検証します。
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文=Lukas Bester, Researcher, Writer, Sustainable Development Consultant in Emerging Markets, Freelance, World Economic Forum

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