米30歳以下の民主党離れが鮮明、Z世代はバイデンに幻滅か

Photo by Chip Somodevilla/Getty Images

11月の米中間選挙の下院選で民主党は、共和党に僅差で敗れたが、その一因は若い有権者の支持が低下したことにある可能性が浮上した。

12月12日のAP通信のデータによると、若い有権者の過半数が民主党の下院候補を支持したものの、支持率は2018年と2020年の連邦選挙を下回っていた。この事実は、2024年の大統領選に向けて民主党の懸念事項になる可能性がある。

AP VoteCastが約11万5000人の有権者に聞き取り調査を行った結果、中間選挙では30歳以下の有権者の53%が民主党の下院候補を支持し、41%が共和党に投票していた。民主党の支持率は、同じグループの2020年の大統領選でのバイデン大統領の支持率の61%を下回り、2018年の中間選挙での民主党の支持率の64%からも減少していた。

さらに、AP通信によると30歳未満の民主党支持者のうち、民主党員であることを「非常に」または「極めて」重要だと答えたのは約25%にとどまっていた。これに対し、高齢の民主党支持者で同じ回答をしたの人の割合は約3分の1に達していた。

45歳以下の若い有権者の民主党の支持率は、ペンシルベニア、ミシガン、カンザスの知事選やペンシルベニアの上院選など、今年の多くの重要な選挙戦で、2020年のバイデン大統領の支持率を上回っていた。しかし、同じグループのニューハンプシャー州とネバダ州の民主党の知事候補への支持は、バイデン大統領への支持を下回っていた。

AP通信によると、30歳以下の有権者は30〜44歳のグループと比べて、オハイオ州の知事選で共和党のJ.D.ヴァンスを支持した人の割合が多く、民主党のティム・ライアンとの間でほぼ等しく支持を分けていたという。一方、30〜44歳の年齢層では、58%がライアンを支持したという。

フロリダ大学で政治学を教えるマイケル・マクドナルド教授は、AP通信に対し、「若い有権者は、政党への愛着が弱いため、世論の影響を受けやすい」と述べ、この変化がインフレによって引き起こされた可能性もあると分析した。

バイデン大統領は、今回のAP通信の調査の前に、Z世代のアメリカ人の間での人気が低下したとも報じられていた。他の複数の世論調査でも、気候変動や人種的正義、学生ローンの問題などで若者が不満を表明し、民主党の大統領への熱意が前年から急落していることが示されていた。

ハーバード大学の調査(Harvard Youth Poll)では、バイデン大統領の支持率は2021年春に59%だったが、今年春には41%に低下し、10月には39%と、大統領に就任後の初の調査から20%も下がっていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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