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2022.12.16 08:45

Z世代への対応に悩む管理職「折れやすい心、意識の差」

大柏 真佑実

Getty Images

Z世代とは、1990年代半ば以降に生まれ、20代半ばより若い世代のこと(2022年時点)。子供の頃から当たり前のようにスマートフォンやSNSに接してきた彼らの中には、すでに就職し、企業で若手社員として働いている人もいる。

一方で、Z世代をマネジメントする立場にある管理職の平均年齢は、係長クラスで45.3歳(厚生労働省調べ※1)。社会人になってからスマートフォンやSNSを使うようになった世代で、Z世代の若手社員とは20歳以上の年齢差がある。そのせいか、Z世代のマネジメントに苦労する管理職は多いようだ。

コンサルティング事業などを手がけるActionCOACH東京セントラルは、従業員1000名以上の大企業に勤務する中間管理職(部長・課長・係長・課長補佐 相当)101名を対象に、Z世代社員のマネジメントに関する実態調査を実施した。

Z世代社員のマネジメントに悩んだことはあるか、という質問には「かなりある」が31.7%、「ややある」が45.5%という結果に。合わせて約8割が、Z世代社員のマネジメントに悩んだ経験があることが分かった。


出典:ActionCOACH東京セントラル

具体的な悩みとしては、「働くことに対する意識や価値観が違う」が最多で66.7%。次いで「心が折れやすく落ち込みやすい」(56.4%)、「ジェネレーションギャップが大きい」(52.6%)、「上下関係の意識が低い」(37.2%)、「ハラスメントの基準がわからず、接しづらい」(34.6%)という順になった(複数回答可)。



さらに、Z世代社員のマネジメントで意識していることはあるかを尋ねると、「かなりある」が28.6%、「ややある」が53.5%で、合わせて「ある」の回答が8割以上に。

具体的に意識していることを聞くと(複数回答可)、1位が「業務について丁寧な指導をしている」で68.7%。続いて「プライベートへの価値観を大切にしている」(55.4%)、「失敗したり傷ついたりしないようなケアをしている」(50.6%)、「業務内外のコミュニケーションを重視している」(49.4%)、「叱らないようにしている」(26.5%)、「興味関心の高い分野から仕事を任せている」(25.3%)の答えが並んだ。

他にも、「主張や考え方を最初にできるだけ聞き出すようにしている」(57歳)、「多様性の価値観を尊重している」(42歳)というように、Z世代社員の考えや価値観に寄り添い、育てていこうとする姿勢が見えるコメントが寄せられる一方で、「Z世代だからといって特別扱いする必要は無い。彼らの考え方を理解し、決められた時間内に仕事を済ませるように指導している」(53歳)というZ世代社員を特別視しないという意見も見られた。

少子高齢化などを理由に国内で人手不足が加速するなか、Z世代の人材が貴重な労働力であり、日本の未来を担うことは間違いない。彼らが持つ大きな可能性を生かすも殺すも、マネジメントを行なう管理職の理解と手腕にかかっている。

※1 参考:厚生労働省  令和3年賃金構造基本統計調査の概況

文 = 大柏真佑実

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