一般財団法人あんしん解体業者認定協会は、10代から60代の全国の男女500人を対象に「捨てられない物」アンケート調査を実施しました。それによると、そもそもモノが捨てられない人は「捨てられない」と「あまり捨てられない」を合わせて55パーセントです。躊躇なく捨てられる人はわずか7.8パーセント。37.2パーセントの「まあ捨てられる」人が積極的に捨てているとは限らないので、日本の55パーセント以上の家庭のクローゼットには、捨てられないものが積まれていると考えられます。
ランキングでリストアップされた「どうしても捨てられない物」は、その大半が思い出のこもった、代えが利かないものです。子どもの写真のオリジナルのネガや、子どもが幼いころに描いてくれた自分の絵などは、解脱でもしない限り捨てられないのが普通です。これらは「捨てたくない」ものですが、捨てたいけど「捨てにくい」ものも見受けられます。プレゼントでもらったものは、「贈ってくれた人の想いなどがあるので、捨てるとバチがあたりそう」とか「人からもったものを捨てるなんて、という謎の気持ちが湧く」といった意見が見られます。
また、捨てられない理由のトップが「いつか使うかもしれない」でした。体のサイズが変化して着られなくなった服も、「いつかまた着られる」と保管している人が多いようですが、ほぼ幻想であることを認める必要があるでしょう。4位は「捨てたら後悔しそう」です。捨てると必要になるのはアルアルですが、逆を言えば、捨てないと必要にならないとも考えられます。
どんな理由があるにせよ、使わないものをずっと眠らせておくのは「じつにもったいない状態」だと、あんしん解体業者認定協会は言います。それを丸ごと貸倉庫に預けたとして、毎月いくらかかるかを考えればわかると思います。手間はかかりますが、写真はデジタル化してクラウドに預ければ、丸ごとスペースが空きます。思い出の品物は、本当に取っておきたいもの以外は写真に撮るなどして、あとは処分するなどの工夫で保管場所を縮小できます。なんとなく捨てるのが「気持ち悪い」ものも、「ありがとう」と手を合わせて処分すればバチは当たらないでしょう。
気になるのは、優良な家屋の解体業者を紹介してくれるあんしん解体業者認定協会がなぜこんな調査結果を公表したかです。実家を解体したときに親が捨てられずに残したワケのわからないものが倉庫やらクローゼットから山ほど出てきて処分に数十万円かかった経験から邪推するに、家の解体にはそんな予想外の経費も発生するのだよと、親切に暗示してくれているのだと思います。