テクノロジー

2022.12.13 11:15

核融合技術の画期的な進歩か、日本時間12月14日午前0時に発表予定

国立点火施設のプリアンプ支持構造の内部(ローレンス・リバモア国立研究所/DANIEL JEMISON)

国立点火施設のプリアンプ支持構造の内部(ローレンス・リバモア国立研究所/DANIEL JEMISON)

米ローレンス・リバモア国立研究所の研究グループは、米国東部標準時12月13日午前に「画期的な科学的成果」を発表する意向だ。制御された核融合反応からエネルギーを純増させる初めての事例になると報じられている。
advertisement

もしそれが真実なら、化石燃料から発生する二酸化炭素排出も核分裂が生み出す放射性廃棄物もなく、太陽熱と同じ源からエネルギーを得るという数十年来の探究の大きな転換点となる。

12月11日にこの件を最初に報じたFinancial Times(FT)は、リバモア研究所の国立点火施設の研究グループが、ついに歴史的節目に到達したことを伝えている。

12月12日、リバモア研究所の広報担当者は「分析は現在も進行中で、本日中に完了する見込みです。手順が完了する13日に詳しく報告できることを期待しています」とメールで私に伝えている。
advertisement

記者会見は、米国東部標準時10時(日本時間14日午前0時)から米エネルギー省のウェブサイトでライブストリーミング中継される。

先走る前にいわなければならないが、過去にこの節目の発見に関する誤報がなされたことがある。10年近く前、私たちはそこへ到達したのかと思ったが、画期的発見だと思ったものが、実は正しい方向へのごく小さな一歩というべきものだった。おそらく14日に発表される大きな一歩と比べて。

FTによると、同紙が国立点火施設の最近の実験について知る3名と話したところ、核融合反応を起こした巨大レーザーに投入したエネルギー量の120パーセントのエネルギーを生成したという。

繰り返しになるが、もし本当なら70%近くを生成した以前の実験結果とくらべて飛躍的な進歩だ。科学界は投入したエネルギーのおよそ3分の2しか得られなかった実験から、20パーセント余剰エネルギーを生み出すところまで到達したことになる。

本件はまだ正式発表されていないが、24時間以内には詳細が明らかになる。

【お詫びと訂正 2022年12月14日8時30分】
記事初出時に間違いがありました。正しい文章は以下のとおりであり、修正いたしました。ご迷惑をおかけした読者の皆様、ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。

タイトル、本文中
誤 日本時間12月14日正午
正 日本時間12月14日午前0時

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事