経済・社会

2022.12.24 09:00

左派から右派へ、イーロン・マスクの政治思想20年の歴史


2022年11月8日
ツイッターを買収したばかりのマスクは、政治のパワーバランスを均衡させるために共和党に投票するよう米国民に呼び掛けた。彼は、この数ヶ月前に民主党を「分裂と憎悪の党」と呼んで批判していた。

2022年11月25日
マスクは、「バイデン政権に失望した」と述べ、2024年の大統領選では「分別があり中道的な人がいい」とツイートした。その後、ユーザーからデサンティス知事が立候補したら支持するか質問され、「イエス」と答えた。

カリフォルニア州との決別


マスクは、パンデミックの真っ只中だった2020年に、政府による新型コロナ規制を「ファシスト」と呼び、その数ヶ月後にカリフォルニア州からテキサス州へ引っ越した。その後、コロナ規制でカリフォルニア州と対立し、テスラの本社をテキサス州に移した。

マスクは、民主党の大物議員ともツイッター上で論争を繰り広げている。2021年12月には、エリザベス・ウォーレン上院議員が彼にもっと税金を払うべきだと述べたことを受け、ウォーレンを「カレン上院議員」(カレンは、わがままな白人女性を指すインターネット上のスラング)と呼んだ。

また、2022年10月には、ナンシー・ペロシの夫の襲撃事件の容疑者が男娼だったという噂を極右が広めたことを非難したヒラリー・クリントンの投稿に、「真実かもしれない」と返信し、論争に火をつけた。

マスクは、10月にクリミア半島をロシアの支配下に置くべきだと提案してロシア政府から称賛された。ツイッターのコンテンツモデレーションの問題に関して、マスクは検閲に反対する立場を取っている。共和党は、ハイテク企業が政治的に偏っているとして調査を要求しているが、マスクの思想は、右派の人々の主張と一致している。

共和党議員らは、マスクがこれまでのツイッターの姿勢を批判していることを理由に、彼によるツイッターの買収を称賛した。テッド・クルーズ上院議員は、2017年にマスクがトランプのパリ協定離脱に反対したことを批判していたが、ツイッターの買収については「現代における言論の自由にとって最も大きな進展の1つ」と高く評価した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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