年末年始に観たい 現役弁護士が選ぶ「おすすめの海外弁護士ドラマ」2つ



クリスト&ジャンヌ=クロード「包まれたライヒスターク」(1971–1995年)
写真:ウォルフガング・フォルツ
出典:クリスト&ジャンヌ=クロード・ウェブサイト

このようなクリストの作風と掛け合わせたジョークなのだが、なかなか日本では一般の視聴者には通じないだろう。

シーズン7のエピソード2(「汚れなき人々」)では、アリシアは、美術館に展示された作品を破損したとして逮捕された男性を弁護することになる。写真家である母親が子どもが8歳のときのヌード写真を作品としたケースだが、おそらく元ネタは、写真家イリナ・イオネスコが娘エヴァ・イオネスコから子どものときのヌード写真の撮影と出版について提訴された実在の事件だろう。

現実離れしていると思うのは、調査員が物凄く活躍するところだ。ミステリアスな敏腕調査員カリンダ・シャルマ(アーチー・パンジャビ)が重要な役割を担うが、ドラマとしてはよいスパイスになっている。

また、「グッド・ワイフ」でも個性的な裁判官が何人も登場する。例えば、弁護士による発言の際に、「In my opinion(私見では)」をつけないと「In your opinion?(あなたの意見ですか?)」といちいち確認してくる裁判官パトリス・レスナー判事(アナ・ガステヤー)だ。

シーズン1のエピソード16(「堕ちた正義」)で初登場し、シーズン2のエピソード8(「盗聴」)、エピソード20(「原告は独裁者」)、シーズン4のエピソード22(「疑惑の投票箱」)、シーズン6のエピソード6(「魅惑の香り」)と繰り返し登場する。登場人物たちによる「In my opinion」合戦が繰り広げられ、笑いを誘う。


出典:シーズン2のエピソード8

シーズン7のラストエピソードは、ピーターのイリノイ州知事辞任の記者会見となるが、シーズン1冒頭のピーターがクック郡州検事辞任の記者会見をするシーンとシンクロする。夫の側に立ち支える妻から、自分自身の人生を自分の思うように自立して生きる女性としての力強さを感じさせる女性となったアリシアの物語が完結する(力強すぎて賛否両論ありそうだが)。


出典:シーズン7のエピソード22

なお、私見では(In my opinion!)、ロックハート・ガードナーのダイアン・ロックハート(クリスティーン・バランスキー)が主人公として活躍するスピンオフ「グッド・ファイト」(2017年〜)も「グッド・ワイフ」に勝るとも劣らない名作なので、ぜひチェックして欲しい。

文=本村剛大

ForbesBrandVoice

人気記事