2022年12月に始まったマクドナルドの「ゴールド・カード」プロモーションでは、3人にゴールド・カードが1枚ずつ贈られる。各勝者はさらに3枚ずつゴールド・カードをもらえるので、それを友人や家族など、好きな人にプレゼントできるようだ。発行されるのは合計12枚。もらった人は、マクドナルドで生涯(または50年後まで)、週に2回、(1食10ドルまでを)無料で食事ができる。
ただ、50年という期限を設ける必要はあったのだろうか。これでは、マクドナルドはケチだというイメージが生まれてしまう。いっそのこと「生涯無料」にしたほうがよかっただろう。このゴールド・カードを今回手に入れた人が15歳だとしても、50年経って65歳になったときに、マクドナルドでそれほど頻繁に食事をするとは思えない。
ゴールド・カードを手に入れたい人は、2022年12月5日からクリスマス当日までの期間中に、マクドナルドのアプリをダウンロードし、「MyMcDonald’s Reward program」に申し込む必要がある。応募条件は、期間中にマクドナルドで1度食事をするだけだ。あとは自動で申し込みが完了する。マクドナルドによれば、このカードを使った50年分の食事代金は、およそ30万ドルになるという。
これはなかなか賢い発想だ。うまく宣伝すれば、マクドナルドというブランドのイメージアップに驚くほど効果を発揮するだろう。思いがけず大きな贈り物を手にして喜ばない人はいない。
このアイデアは、ファストフード店以外でも便乗できる。たとえば、スーパーマーケットチェーンなどはどうだろうか。ゴールド・カードが当たるプロモーションを実施して、買い物客が生涯無料で食料品を購入できるようにするのだ。年に1回、カードを1枚でいい。
相次ぐ値上げで、消費者は(スーパーマーケットに責任はないにもかかわらず)スーパーマーケットを悪者扱いしている。こんな時代において、ゴールド・カードをプレゼントするプロモーションは、幸運な買い物客にお返しができるだけでなく、顧客ロイヤルティを構築できる素晴らしい方法となる可能性がある。生じるコストはそれほどでもないが、こうしたプロモーションが生み出す価値は、莫大なものになるかもしれない。
(forbes.com 原文)